冬に見られるステキな自然現象たち




冬のように気温が低くなると、他の季節には見られないような、いろいろな自然現象を見ることができます。



身近なものとしては、氷柱(つらら)や霜柱(しもばしら)などがありますが、もっと寒い地方に行くと、さらに珍しく神秘的な現象が起こります。



そんな現象をいくつかご紹介したいと思います。





■ ダイヤモンドダスト



「ダイヤモンドダスト」とは、大気中に含まれる水分が凍って、ちらちらと降る現象で、「細氷(さいひょう)」とも呼ばれています。



細かい氷の結晶が、太陽の光に反射してダイヤモンドの塵(=ダスト)をまいたようにキラキラ輝いて見えることから、そのような名前が付けられました。天気が良くて、気温が氷点下10℃以下になったときに現れるとされています。



静かな場所であれば、氷の結晶同士がぶつかり合うときの音を聞くこともでき、この音を「天使のささやき」と呼ぶこともあります。



ちなみに、天気の種類としては降水現象の1つとして扱われることから、たとえ空が晴れていたとしても、記録上は「雪」となります。



■ 太陽柱(サンピラー)



「太陽柱」とは文字通り、太陽が柱のように見える現象です。



日の出や日の入りの時間帯に、地平線と垂直に太陽と同じ幅・色の柱が立っているように見られるため、こう呼ばれています。



大気中の水分が凍り、「氷晶(ひょうしょう)」と呼ばれる六角板状の小さな氷の結晶ができると、それに太陽光が反射されて、柱のように見えるという仕組みです。



先にご紹介したダイヤモンドダストが現れるようなときに、合わせて見られたりもする現象です。



太陽以外にも、強い光さえあれば同様の現象が起こる場合があり、月の場合には「月柱(ムーンピラー)」、街灯などの場合には「光柱(ライトピラー)」と呼んだりします。



月柱の場合は満月ほどの明るさが必要ですが、光柱はスキー場のナイター照明などでもよく見ることができます。



■ 御神渡り



「御神渡り(おみわたり)」は、主に湖などで見られるもので、凍った湖面が割れて盛り上がってくる現象です。



氷点下10℃以下の日が続き、氷の厚さが10cm以上に達し、その後の気温の変動により、氷が収縮と膨張を繰り返すことによって発生するとされています。



氷が盛り上がった部分を、神様が渡った道に見立てて、このように呼ばれています。



御神渡りは、北海道の屈斜路湖(くっしゃろこ)や塘路湖(とうろこ)などで見ることができますが、本州では長野県の諏訪湖のものが有名です。

諏訪湖では、湖面の割れ目の状態から、その年の天候や農作物の出来、世の中の吉凶までも占っています。



■ 雪まくり



「雪まくり」は、地上に降り積もった雪が、強い風の力でシート状にまくり上げられて、ロールケーキのような円筒形の雪玉になる現象です。海外では、その形状から「スノーローラー」や「スノードーナツ」とも呼ばれています。



主にアメリカの北部やカナダでよく見られる現象ですが、日本国内でも北海道や東北・北陸・山陰地方などで起こることがあります。



これが起こると、まるで子供たちが大きな雪玉を転がして遊んだ後のようにも見えます。



■ アイスサークル



「アイスサークル」とは、川や湖などに薄くてきれいな円形のディスク状の氷が作られる現象で、北欧のスカンジナビア半島や北アメリカなどの寒さの厳しい地域で観測された実績があります。



大きさは大小さまざまですが、中には数メートルといった巨大なものも発見された記録があります。



なお、この「アイスサークル」が発生する原因はまだ解明されていませんが、水中に発生する渦がきっかけとなるのではと考えられています。



■ まとめ



今回は、冬にしか起こらない自然現象の一部を紹介してみました。



他にも、太陽と同じ高度に太陽のように明るく光るスポットが見られる「幻日(げんじつ)」や、雲が虹のように色づいて見える「彩雲(さいうん)」など、冬の寒さが生み出す自然現象はたくさんあります。



どれもまれにしか起こらない現象ですが、チャンスがあればぜひ一度自分の目で確かめてみたいですね。



(文/TERA)



●著者プロフィール

TERA。小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。