プレミア・リンクス社長 関谷英里子氏

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■カリスマ同時通訳・関谷英里子の学習法

英語が不得意だからと、背を向けている人を見ると、私はいつも「もったいないな」と思います。ほとんどのビジネスパーソンは、最低でも中学、高校の6年間は英語を勉強してきたはずです。しかも、例えば仮定法のような高度な文法まで習っているのですから、実際は、みなさんそれなりの“英語資産”を持っていると思って間違いありません。

しかしながら、英語を不得意と感じるのは、勉強したことが“成果”につながっていないからでしょう。英語の知識はあったとしても、それを使って相手を理解したり、自分の意思を伝えたりする訓練を今までしてきていないのです。

英語の世界では、満面の笑顔や力強い握手、大げさなくらいの相槌などを心がけるだけで、会話はスムーズに進みます。逆に、それらがちゃんとできていれば、多少怪しい英語でも、意思疎通はできるのです。ところが日本人の多くの人はそういうことを教わってきていないので、特に正しい文法で正確に発音することにこだわる。だから言葉が出なくなり、「英語は苦手」と思い込んでしまうのです。

欧米人が日本人と英語で話す際には、相手もこちらを「英語が母国語でない人」と認識しているので、たとえ流暢に話せなくてもあまり気にはされません。

国際舞台でもインド人やシンガポール人は、かなり癖がある英語のアクセントでも、臆することなく堂々と話しているではありませんか。この点は日本人も見習ってもいいところではないでしょうか。

また、ビジネスで必要にかられて英語を使う場合は、事前に言いたいことを準備しておくことで対処できます。

特に仕事で使う単語は限られている場合が多いので、自分で単語帳を作って覚えておくといいでしょう。また、海外とeメールでのやりとりが多ければ、定型文を作成して、保存しておくと便利です。外国人と頻繁に会う必要がある人なら、英語の自己紹介文を丸暗記しておくのもいいアイデアです。

現在、すぐに英語を使う必要に迫られてはいないけれど、将来に備えて勉強しておきたいという人は、漠然と始めるのではなく、まず目標を決めてください。

「英語の新聞記事を読めるようにする」「メールが英文で書けるようにする」。あるいは「海外旅行に行ったとき露店で値段交渉ができるようになる」というように、できるだけ具体的で身近な事例がいいでしょう。

教材は自分の目的に合っているならなんでもかまいませんが、できればCDのように繰り返し聴けて、英文と日本語訳があるものを選ぶといいと思います。そして、これと決めたら完璧に聴き取れて同じように話せるようになるまで、それを徹底的にやること。あれこれ手を出すと、かえって効率が悪くなります。

英語を聴くときはただ聞き流すのではなく集中して聴き、聴こえた音をそのまま音にして出す方法もお勧めです。英語学習ではインプットとアウトプット(聴く、話すと読む、書く)を両方行うのが基本。そして話すときは発音よりもむしろ、アクセントの強弱に気をつけると英語らしくなります。

それから“妄想英会話”もお勧めです。頭の中で状況を設定し、架空の会話をしてみるのです。日常において英語を使う機会が少ない日本人にとって、この妄想英会話は特に効果があります。

ただし、最終的にものをいうのは、やり方よりもどれだけの時間を英語に費やしたかということのほうです。本気で英語力をつけるなら、少なくとも1週間に15〜20時間は、英語に真剣に取り組んでほしいと思います。

■NHKラジオ講師・杉田敏に学ぶ習得法

語学の学習に関して、古今東西さまざまなことがいわれているなかで、これこそ真理だと私が確信している原則がひとつあります。それは、いかなる言語も時間とお金を犠牲にせずには習得できないということです。

アフターファイブは同僚と赤ちょうちんで会社の愚痴をこぼし、帰宅したらお笑い番組を観て寝るという日々を送っている人が、ライフスタイルはそのままでなおかつ英語もものにするなどというのは土台無理。まず必要なのは、これまでの生活の何かをあきらめて、その分を学習に充てるという覚悟です。また、どれだけの時間とお金が捻出できるかで学習方法も違ってきます。

例えば時間なら2000時間。TOEICにしても英会話にしても、これくらいはかけないと効果は期待できないとさまざまな人がいっています。この2000という数字にどれくらい根拠があるかわかりませんが、語学の場合はどんな人でも、ある程度の時間をかけないと結果が出るまでに至らないのはたしかです。

英語に費やせる時間は1日せいぜい30分、投資できるお金もほとんどないというなら、300円でNHKラジオ講座のテキストを買って、15分間番組を聴き、復習にもう15分かける。これだって1年継続すれば、続けただけの効果は出ます。ただし、海外のビジネススクールでMBAを取得できるだけの英語力を1年で身につけたいという人は、もちろんこれだけでは足りません。当たり前ですが、目標が大きくなればその分払うコストと犠牲も大きくなります。

また英語は聴く、話す、読む、書くのうちどれから勉強したらいいかという質問をよくされますが、それらすべてを合わせたものが言語能力なのですから、切り離して考えるのは間違いです。

ただし、話すには相手が要るし、書いたものは誰かに見てもらわないと、それが正しいかどうかわかりません。その点、聴く、読むというのはやる気さえあれば、自分ひとりでいくらでもできるので、独学で英語を学ぼうという人は、聴くと読むを徹底的にやるところから始めるのがいいと思います。それに大量に聴く、読むことを続けていると、自動的に話す、書く能力も養われてくるのです。

■語学はスポーツと同じ。負荷を高くすること

ひとつアドバイスをしておくと、英語を聴くときはテキストを見ずにまず、音で聴くこと。先にテキストを見てしまうと、自分の発音の癖のまま頭に残ってしまうので、自然な音として耳に入らなくなってしまうのでよくありません。

それから、教材は自分の実力より上のものを選ぶ。語学もスポーツと同じで、ある程度負荷が高くないと上達は望めないからです。私はアメリカのピーアール会社に入ったとき、最初に上司から「ランチは必ず自分よりも立場が上の人と一緒に食べなさい」と言われました。秘書の女の子となら気軽に会話を交わせても、相手がそれなりの役職に就いている人の場合は、事前にかなり勉強しておかないと話についていけません。かなり苦労もしたし恥もかきましたが、おかげで英語を含む私の能力は、短期間で飛躍的に伸びたと思っています。

せっかく英語の勉強を始めても、なかなか成果が実感できないので、途中で嫌になってしまうという人も少なくないようですが、これは実にもったいない。毎日コツコツやっていれば、確実に力はついてきます。そして、それはある日突然、それまで単なる音だったものが単語やセンテンスとして耳に入ってくるというように劇的な形で表れます。

どうかその日がくるまで頑張って続けてみてください。

■英会話学校元社長が続ける秘訣を伝授

英会話教室Gaba(以下・Gaba)の最大のセールスポイントは、すべての授業がマンツーマンレッスンだというところです。日本のビジネスパーソンは、文法や単語の基礎知識はあるのに、その知識を英会話に活かせないところに難があります。それは、英語を使ってコミュニケーションする機会が足りないからです。だからGabaでは40分のレッスンでできるだけ英語を話してもらうために、マンツーマンにこだわっているのです。

Gabaで週2回レッスンを受け、あとは自宅で予習と復習をしっかりやっていただければ、2年間でGabaのクラスのレベルが、通常は2〜3段階アップします。

また、リーディングの力をつけることも可能です。半年間1万6800円(税込)のオプション料金で、毎日配信される欧米一流紙の記事を読むことができます。またその中の記事の内容が理解できているか自分でテストできます。ライティングに関しては、無料の英文添削サービスを行っています。またオプション料金(約2万9925円・税込)で、Eラーニング形式でライティングのコツを学ぶこともできます。(※雑誌掲載当時)

ちなみに、Gabaではmy Gabaという受講生1人ひとりのホームページを用意していて、レッスンの受講履歴やインストラクターのコメント、自分専用の単語帳やフレーズ集などを自宅のパソコンでいつでも見ることができるようになっています。また、レッスンの内容も自由に録音できるので、好きなとき、場所であとで聴き直すことも可能です。

費用は1回のレッスンが平均6000円で、週2回のペース換算で年間50万円程度(教育訓練給付金コース)、2年間で約100万円が目安だと思ってください。金額以上の効果は必ずあると自信を持っています。

なかには3カ月後に海外赴任が決まっているからと、毎日のようにレッスンに通ってくる人もいますが、通常は週2回で十分です。それに、週2回なら忙しいビジネスパーソンも無理せず続けることができます。Gabaでは朝7時からレッスンを受けられるので、そこでウオーミングアップしてから仕事に向かうという人も少なくありません。このように英語の勉強を生活習慣に組み込んでしまうことが勉強を続ける秘訣です。

※すべて雑誌掲載当時

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プレミア・リンクス社長 関谷英里子 
慶應義塾大学経済学部卒。伊藤忠商事などを経て、現在は同時通訳者、翻訳者として数々の国内外の著名人を担当。近著に『えいごのつぼ』(中経出版)がある。

プラップジャパン社長 杉田 敏 
青山学院大学経済学部卒。オハイオ州立大学修士課程修了。NHKラジオ講座『実践ビジネス英語』の人気講師。2007年より現職。朝4時20分起きを10年間続ける。

GABA元社長(英会話教室Gaba)上山健二 
東京大学経済学部卒。ミシガン大学でMBA取得。住友銀行、ファンドなどを経て、09年〜11年社長。百貨店の長崎屋の立て直しに携わった経験を持つ。

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(山口雅之=構成 大沢尚芳、川本聖哉、芳地博之=撮影)