尖閣諸島の領有権を主張する台湾の民間団体「台湾中華保釣協会」の活動船が24日に尖閣諸島付近の海域で海上保安庁の巡視船から放水を受けた問題で、中国メディア・人民網は31日、同協会が海保の指揮官を器物損壊と殺人未遂の疑いで刑事告訴したことを報じた。

 記事は、同協会の黄定為事務局長らが30日午後に台北地方検察署を訪れ、「警告なしに強力な放水攻撃を指揮したことによる、器物損壊、殺人未遂の疑い」によって巡視船「よなくに」の佐藤至船長を刑事告訴したと伝えた。

 これに対し台北地検は告発を受理したものの、殺人未遂容疑については証拠不足であるとの認識を示したこと、同協会が同時に500万台湾ドルの賠償を求める民事訴訟を同時に起こしたことも併せて報じた。

 黄事務局長は、尖閣諸島海域に行った目的について検察官に「政治的意図はない。ただの魚釣りだ」と語ったことを明らかにした。(編集担当:柳川俊之)