[其ノ四 投信ファンダ編]スイッチングとは乗り換え機能のことです
通貨選択型の投信についている「スイッチング」機能。為替ヘッジ機能の有無も再度選べる、「スイッチング」とは投信の?乗換券〞を意味します。そのメリットとデメリットは?


スイッチングを使えば投信の新規購入までが期間短縮でスムーズに

複数の投信が1つのシリーズに束ねられた通貨選択型の投信は、「スイッチング」という機能を活用することでヘッジのコースを変更することができます。

また最近は、対円の為替ヘッジ機能が付いた投信と付いていない投信がペアになって設定されているケースも多く、こうしたタイプもスイッチング機能を使うことでヘッジの有無を変更できます。

そもそも、このスイッチング機能とはどういうものなのでしょうか? 通常の解約とは何が違うのでしょうか。

スイッチングとは、投信の「乗り換え」のことです。スイッチングを選択すれば、解約と新規購入の手続きが同時に行なえるため、解約資金の受け渡しを待つ必要がありません。通常、15時までに解約の申し込みが完了した投信は、円建ての国内資産に投資するタイプであれば当日、外貨建ての海外資産に投資するタイプであれば翌営業日に約定され、取引が成立します。

しかし、実際の解約資金の受け渡しにはさらに約4営業日かかるため、土日を含めると資金化までには10日前後要します。解約資金を使って別の投信の購入手続きを踏むとなると、新しい投信の約定までにはさらに1〜2営業日かかってしまうのです。

新しい投信の購入を検討する際、?まずは現在保有している投信を解約して〞と考える方も多いと思いますが、一連の手続きを終えるまでには意外と日数がかかるのです。



この2段階に及ぶ手続きをより簡単にするのが、スイッチングと呼ばれる機能です。

前述したような一般的な解約手続きを経て新たに別の投信を購入すると、取引そのものが独立しているので、新規購入時には申込手数料がかかります。しかし、一部のスイッチング対象投信では、乗り換える投信の申込手数料が割引になるなどの優遇措置を受けることができます。

スイッチングの可否は販売会社によって異なります。自分の保有する投信がスイッチングの対象かどうか、手数料優遇があるかどうかについては、目論見書で確認すると同時に販売会社にも確認したほうがいいでしょう。

ただし、ここで忘れてはいけないのが、投資信託は中長期の保有を前提とした金融商品であり、短期売買には向いていないという点です。

申込日と約定日がずれているのも、投資家間の平等を保つためにブラインド方式(申し込みの段階では買い付け時の基準価額がわからないようにすること)という制度が導入されているためです。つまり、スイッチング機能が付いているからといって頻繁に乗り換えを繰り返すと、優遇されても、販売手数料がかさんでしまう可能性もあります。

また、スイッチングでコースを乗り換えても、通常の解約と同様、信託財産留保額(長期にわたって投信を保有する投資家との公平を期するため、換金代金から差し引かれる資金)が差し引かれるほか、利益が出ている場合は税金もかかります。こうした点には十分に注意しましょう。



【今月の投信師匠】
篠田尚子(SHOKO SHINODA)
トムソン・ロイター・マーケッツ

慶応義塾大学法学部卒業。リッパー・ジャパンに所属するファンドアナリスト。情報量の多さと分析の鋭さは天下一品!



この記事は「WEBネットマネー2013年2月号」に掲載されたものです。