取材場所で待ち受けていたのは、忍び装束姿の「忍者」だった

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ああ、こんなとき忍者さえいれば――なんて状況はなかなかないと思うが、なんと世の中には、依頼に応じて忍者を「派遣」してくれるサービスがあるという。

その名も「忍者デリバリー」。2013年1月にサイトがオープンするや、Twitter(ツイッター)などでも大きな話題となった。実際のところ、どんなサービスなのか。詳しい話を聞くため、取材に出向いた。

喫茶店のドアの陰から…

取材場所に指定されたのは、都内某所の喫茶店だ。こんなところで本当に忍者と会えるのだろうか。と思いつつふと店内を見回すと――

い、いた!

いつの間に現れたのか、ドアの陰からこちらを見ている忍者の姿が。喫茶店に黒の忍び装束――かなり目立っている。あっけに取られる記者をよそに、忍者は普通に向かいの席に腰を下ろす。

残念ながら忍者は身元など詳しい質問には答えてくれなかったので、同席した運営会社・ナバル(東京・江戸川区)代表の小林逸生さんに、改めてサービスの内容について聞くことにした。

この「忍者デリバリー」では依頼をすると、指定の場所・時間にこのように「忍者」を派遣してくれる。たとえば恋人にプレゼントを贈りたいとき、あるいはイベントやパーティーを盛り上げたいときなど、「ここぞ」という大事なシーンのサプライズとして「忍者」が突然出現する――そんな使い方を主に想定している。

しかしナバルは、ウェブやスマートフォン向けのサービスを展開するIT企業だ。そんな会社が、なぜ忍者? というのも代表の小林さんは、白土三平さんの漫画やドラマ「影の軍団」など、忍者モノ作品の大ファンなのだ。スマホ向けの事業を行うため起業したが忍者への思い断ちがたく、並行してこの忍者デリバリーを始めることにしたという。ネット上で話題になって問い合わせも相次ぎ、さっそく会社の新年会などへの派遣依頼も舞い込んだそうだ。

バレンタインやホワイトデーにも忍者?

ちなみに公式サイトによれば、「忍術については基本的にサービスとしてはご提供してはおりません」。小林さんに聞くと、「まだ修行中」と苦笑い。これまで黙って隣に座っていた忍者も、

「常に修行」

と重々しくうなずく。こうした「修行」などを含む忍者たちの裏側も、今後サイト上で紹介したいと小林さんは言う。

「バレンタインデーも近いですが、意中の『仕留めたい』相手には、ぜひ忍者を。ニーズを計りながら、できる範囲でいろいろなサービスをやっていきたい。思ってもみない忍者活用法が出てくるかも」(小林さん)

依頼は同社ウェブサイトなどで受け付けている。料金(報酬)は応相談だが、「あくまで目安ですが、日中の23区内でしたら2〜4万円程度を想定しています」。深夜・早朝などの場合は追加料金もありうるほか、条件次第で変動がある。今後、街中で忍者を見かけても驚かない――そんな日が来るかも?