連載第1回と第2回は、「経験学習」をキーワードに、重光直之・ジェイフィール取締役と松尾睦・神戸大学大学院経営研究科教授の対談をお送りした。経験から学ぶことは、どんな場面においても大切なことであるが、現場におけるマネジメントにおいて、つまりミドルマネジャーにとっては、特に重要になってくる。

 以後3回に渡って、「経験学習」のポイントを踏まえながら、企業のミドルマネジャーが日常のマネジメントにおいてどのように「学びの場」をつくっていくべきかを、重光氏がわかり易く解説する。

『マネジメントの実像』が示す課題
あなたも同じ悩みを抱えていないか?

 カナダ・マギル大学のヘンリー・ミンツバーグ教授は、マネジメントについて「経験の科学である」と述べています。彼は大学院修士のときに、5人の経営者にそれぞれ1週間密着してその実態を観察しました。

 その中から、理屈ではない現場・現実に立脚したマネジメント論を見出して『マネジャーの仕事』を著し、世界中で注目されました。

 それから38年後の2009年、彼は再び詳細なマネジメント研究を行いました。今度は、29名のミドルマネジャーをそれぞれ朝から晩までつぶさに観察して、今の現場で何が起こっているかを、再度検証したのです。

 その著作は『マネジャーの実像』という邦訳タイトルになっているように、改めてマネジメントの実態を明らかにして、そこからマネジャーが何をすべきかを示しています。

 その中で彼は、今も昔も変わらないマネジャーの行動の特徴を次のように指摘しています。「いつも時間に追われている」「関連性のない様々なことを細切れに行う」「頻繁に自分で物事を処理する」「非公式で口頭のコミュニケーションを好む」「しばしば目に見えない形でコントロールを行う」といった点です。

 どうでしょうか。マネジャーである皆さんの実態も、似ているのではないでしょうか。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)