「オーダースーツを変える」南青山ドット・テーラーが目指す職人再生

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 日本の「テーラー」のスタイルが変化し、工房を併設した昔ながらの注文服店に代わってスーツの制作を外注する「分業型」のオーダーメイドスーツ店が増えている。しかし地方の工房ではスーツ職人が減っているという。南青山にオープンした「DOT・TAILOR(ドット・テーラー)」も「分業型」のオーダーメイドスーツ専門店だが、職人と技術を守るため来年を目処に自社工房を構える計画だ。「日本のオーダースーツを変える」というオーナーの松井拡運氏に、"職人再生"を目指す取り組みについて聞いた。

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 IT業界から紳士服業界に参入した松井氏が兄弟で立ち上げた「ドット・テーラー」は、2010年に初の店舗を原宿に開業。2012年9月に南青山に移転オープンした。新店舗は仕立てのいいスーツを着るための"社交場"をイメージし、128平方メートルの店内にバーカウンターやアンティークの家具を設置。生地は豊富に用意し、完全予約制で採寸やスタイリストの提案には一人の客に対して1.5〜2時間をかけている。ハンドメイドを得意とする工房が制作するスーツは上下で10万円台から仕立てる事ができるが、顧客の平均購入価格は20万円。「日本の職人の手作業による最上の一着を」という思いと、納得がいくまで仮縫いを行うなどサービスを徹底することで、40代の経営者をはじめ固定客を増やしているという。

 「ドット・テーラー」のスーツの制作を請け負っている工房のうちの一社、イシダソーイングの代表でオーダーメイドスーツの工房を40年営んでいる石田原氏は、分業化が進むテーラーの現状を「効率化が求められ工賃が下がり、若い職人を抱えられない工房が多い。日本のスーツ業界を活性化させるためには高いハンドメイドの技術を残し、職人を育てる必要がある」と話している。そのため松井氏は"職人再生"を目的に、石田原氏の協力のもと2014年夏を目処に都内に工房を構える計画だ。「若い層にもオーダースーツの魅力を伝え、着る人に相応しいスーツを相応しい価格で提供することで職人の仕事を増やしていきたい」という松井氏は、自社工房を通じて"メイドインジャパン"の技術を広く伝え、若手職人の育成にも取り組んでいく。

■DOT・TAILOR
 住所:東京都港区南青山5-6-3メーゾンブランシュII 4階
 TEL:03-3797-5111(予約制)
 営業時間:11:00〜20:00
 http://www.roughsjapan.com/