投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、1月28日〜2月1日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、2月1日に発表される米国1月の雇用統計と2012年の年次改定を見極める展開となる。ドル・円が続伸した場合、本邦輸入企業による輸入予約の前倒し、本邦輸出企業による輸出予約の買戻し、本邦機関投資家による仕組み債絡みの円高ヘッジポジションの手仕舞い、海外投資家の日本株投資(円買い)の円売りヘッジなどに警戒する展開となる。

【連邦公開市場委員会(FOMC)】(29〜30日)
 2013年の連邦公開市場委員会(FOMC)の12名のメンバーの内、タカ派は2名(ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁、ブラード米セントルイス地区連銀総裁)だけとなっている。連邦債務上限引き上げ問題が5月に先送りされたこと、米国の景況感に顕著な改善が見られないことで、現状の金融政策が維持される見通しとなっている。

【石破レンジ(85〜90円)から浜田シーリング(95〜100円)へ移行の可能性】
 安倍政権による円高・デフレからの脱却を目指す円安誘導は、2月15〜16日のG20財務相・中央銀行総裁会議、2月17日の週の日米首脳会談を控えて、ドイツ、イギリス、アメリカ、ロシア、韓国から批判の矢面に立たされている。

 しかしながら、安倍政権閣僚からは反論が出ていることで、安倍政権による断固たる円安誘導のスタンスが窺えることで、ドル・円相場は、石破レンジ(85〜90円)から浜田シーリング(95〜100円)へ移行する可能性が高まっている。

(注:自民党・石破茂幹事長は「1ドル=85円から90円が望ましい」と発言。浜田宏一内閣官房参与は「1ドル=100円でも問題ない」との見解を示している)

【米国1月雇用統計】(1日)
 米国1月の雇用統計の予想は、失業率は7.8%で12月の7.8%と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比+15.5万人で12の+15.5万人と変わらずとの見通しとなっている。最小予想は+12.0万人、最大予想は+20.0万人。2012年の年次改定も発表されるため要注意か。

【テクニカル分析】
 ドル・円は、75円32銭を頭とする「逆ヘッド&ショルダーズ」が完成しており、目
標値92円50銭処が点灯している。

 1月28日〜2月1日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)12月耐久財受注 −− 1月28日(火)日本時間午後10時30分発表
・予想は、+1.8%
 参考指標となる12月ISM製造業景況指数の内訳「新規受注DI」は50.3と11月と同水準。12月の各地区連銀公表の製造業関連指標では、ダラスは改善したが、リッチモンド、シカゴは低下。NYは若干改善したが、市場予想を下回っており、コンセンサスをやや下回る可能性がある。

○(米)1月消費者信頼感指数 −− 1月29日(火)日本時間30日午前0時発表
・予想は、64.0
 米国株式市場は1月に入りやや堅調。「財政の崖」をひとまず回避したことが好感されている。雇用情勢の顕著な改善はやや難しい状況だが、非農業部門雇用者数は15万人前後の増加を続ける可能性がある。住宅市場はまずまず順調であることから、コンセンサスは妥当か。

○(米)10-12月期国内総生産(GDP) −− 1月30日(水)日本時間午後10時30分発表
・予想は、前期比年率+1.2%
 10−12月期の小売売上高は前期比+1.3%の伸びを記録。貿易収支は、12月分が未発表だが、11月の貿易赤字は拡大したことから、貿易赤字は前期比で拡大することが確実な状況となっている。7-9月期との比較で経済成長率は大幅に鈍化する見込みだが、コンセンサスは妥当か。

○(米)1月雇用統計 −− 2月1日(金)日本時間午後10時30分発表
・予想は、失業率が7.8%、非農業部門雇用者数は、+15.5万人
 調査対象期間の1/12を含む週の新規失業保険申請件数は33.5万件←12月36.2万件、失業保険受給総数は321.4万件←12月320.6万件と、ともに改善。他の雇用関連指標の発表を待つ必要があるが、非農業部門雇用者数の増加は12月+15.5万人程度にとどまる可能性がある。

 主な予定は、28日(月):(米)12月中古住宅販売仮契約、30日(水):(米)1月ADP雇用統計、31日(木):(米)12月PCEデフレータ、(米)1月シカゴ購買部協会景気指数、(日)12月鉱工業生産、2月1日:(日)12月完全失業率、(米)1月ミシガン大学消費者信頼感指数確定値、(米)1月ISM製造業景況指数

【予想レンジ】
・ドル・円87円00銭〜92円00銭