コンビニ最大手のセブンイレブンは2013年夏までに全国の1万5000店舗で、挽きたての豆をドリップしたコーヒーを100円で販売する。これによって客数の5%増加と、おにぎりやサンドイッチなどの販売を伸ばすのだという。

ネットではコーヒーの値段100円に注目が集まっていて、コンビニ業界がとうとうマクドナルドの「100円マック」をターゲットにしたと話題になり「マックから客を奪え!ということ」「まずは両方を飲み比べなくては」などと盛り上がっている。

「セブンカフェ」で来店客の5%増を見込む

日本フランチャイズチェーン協会が2013年1月21日に発表したコンビニ主要10社の既存店売り上げは7か月連続で前年を下回った。12年12月は客数、客単価共に同じく下がっている。天候や昨年好調だったタバコの売り上げが落ちたといった要因もあるが、競合店が増えたことや、商材のマンネリ化で客足が遠のいたと分析する人もいる。

そうしたなか、セブンイレブンは新たな戦略として13年夏までに全国の1万5000店舗に「セブンカフェ」を設置し挽きたて豆のホットとアイスのコーヒーを販売する。値段はレギュラーサイズがホット、アイス共に100円(150ミリリットル)、ラージサイズはホットが150円(235ミリリットル)、アイスは180円(270ミリリットル)という設定だ。

同社は12年8月から北海道など一部地域で「セブンカフェ」の実験販売を行っていて現在は約1400店舗で展開している。その結果、サンドイッチの売り上げがこれまでの2割アップし、来店客も女性を中心に4〜5%増えた。こうした成果から全国の全店舗拡大する自信を深めたのだという。

13年1月24日に東京都内のセブンイレブンに行って100円のレギュラーサイズを注文してみた。店員から紙製のコップが渡されて、ドリップ式のコーヒーマシンの受け口にコップを置くよう指示された。スタートボタンを押すと、コーヒー豆が挽かれる音が響いた後に、コーヒーがコップに注がれていった。完全に注ぎ終わるまでカップは外に出せない仕組みになっている。マシンの横には砂糖やミルク、コップの蓋などが置かれた棚があり、セルフでそれを持ち帰ることが出来た。

「最も適切な値段を考慮した」とセブン広報

他のライバル店でもこうしたコーヒーの販売をしているところもあるが、値段は150円前後の設定だ。ネットではセブンイレブンで本格的なコーヒーが100円で買えること歓迎する声が高まっている。そして100円にしたことが大きな意味があり、マクドナルドがコーヒーなどを100円で販売している「100円マック」を意識したのは間違いない、といった推測が広がっていて、

「セブン、ガチでマックに戦い挑んだな。まあ、目線は悪くない」
「俺にとってのマックの存在意義が揺らいでいる」
「どちらが美味いのか。まずは飲み比べてからだな」

などといった感想が「ツイッター」などで囁かれている。

セブンイレブン広報に話を聞いてみると、100円コーヒーを全国の店舗で発売することを決めたのは、先行販売した地域で好評を得たこと。挽きたて豆の美味しいコーヒーを飲みたいというニーズに応える、サンドイッチなどの食事とのまとめ買いの新たな提案ができている、と説明した。100円きっちりの値段にしたのはなぜか、という質問には、

「美味しいコーヒーをどう販売するか、最も適切な値段を考慮したものです」

ということだった。