”アベノミクス”始動! 景気対策は2013年度実質GDPを+0.8%押し上げ--日本総研

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日本総合研究所は25日、同社調査部が取りまとめた「アベノミクス始動を受けてのわが国景気の行方」と題したレポートを公表した。

これによると、景気対策は2013年度実質GDPを+0.8%押し上げ、第3の矢「成長戦略」がカギになるとしている。

安倍晋三首相は、(1)大胆な金融緩和、(2)積極的な財政出動、(3)成長戦略、を「3本の矢」とする成長重視の経済運営を進めることで、長引くデフレからの脱却と円高の是正を図る方針。

こうした動きを受けて、金融市場ではいち早くポジティブに反応している。

同レポートによると、今後はこの3本の矢が、期待に終わらず経済成長に結びつくかがポイントとなる。

またレポートでは、金融緩和による円相場の下落は、輸出環境の改善を通じて輸出企業を中心に収益を押し上げる見込みであると指摘。

2013年度のドル・円相場が90円で推移した場合、同年度の企業収益と実質GDPは、それぞれ+2.6%、+0.5%上振れることになるとしている。

もっとも、円安は輸入価格の上昇を招来。

実際に足許ではエネルギー関連価格が上昇しており、今後、内需関連企業や家計に対してマイナス圧力が高まる恐れもあるとも指摘している。

緊急経済対策については、10.3兆円の財政支出のうち、直接GDPの押し上げに寄与する真水は4.6兆円と試算。

今後、1年程度かけて公共投資が顕在化するとした場合、2013年度の実質GDPを+0.8%ポイント押し上げるとしている。

レポートでは、以上を踏まえ、わが国経済を展望。

2013年度は、景気対策と消費税率引き上げ前の駆け込み需要により+2%程度と高めの成長率となる一方、2014年度は外需が下支えに作用するものの、政策効果の反動により、▲1%弱のマイナス成長に転じる見込みとしている。

もっとも、(1)公共事業の効果一巡後に地方経済が一段と冷え込む恐れ、(2)大規模な国債発行による財政支出が金融市場で混乱を招く恐れ、(3)景気対策の反動減のタイミングが、2014年度の消費税率の引き上げに伴う駆け込みの反動と重なれば、再び景気後退となる可能性、など懸念材料もあると指摘。

こうした事態に陥らないために、「金融緩和と景気対策である程度の時間を確保したうえで、成長戦略を実行に移し、『自律回復』メカニズムを動かすことが最も重要なポイント」とし、そのために、新政権の決断力と実行力を求めている。