経済成長への期待とインフレへの備え〜金融緩和策が日本経済にもたらすもの

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このところの円相場は、昨年11月半ばから主要通貨に対し、急激に円安方向に転じており、対米ドルでは1米ドル=90円の水準に達しています。

円安は、輸出企業にとっては有利に働くことが多く、業績拡大が期待できますが、一方で、輸入する側から見ると違った風景が見えてきます。

1980年代後半からの原油価格の推移(左下グラフ参照)を見ると、原油価格は上下しながらも、中長期では上昇傾向となっていました。

しかし、米ドル建てと円建ての原油価格の推移を比べてみると、円建ての方が上昇は緩やかであったことがわかります。

この理由は、円相場が概ね円高傾向となっていたことにあり、エネルギーを主として輸入に頼る日本経済において、円高はエネルギー価格を抑制し、物価を安定させる上で重要な要件であったと言うことが出来ます。

仮に円相場が、この期間円高となっていなければ、輸入食料やガソリン価格、電気料金などは随分高くなっていたと考えられます。

このように、輸入する側に立てば、資源価格が上昇していなくとも、円安は物価上昇を招く要因となりかねません。

まして、新興国の経済成長に伴なう需要増加と共に資源価格の上昇が見込まれる現状では、物価上昇の可能性は高まっていると見られます。

1月22日、日本銀行は金融政策決定会合において、物価上昇率の目標を2%程度(前年比)で安定した推移とすることを決定し、政府と共に共同声明を発表しました。

2%という物価上昇率の目標は、これまでのデフレ経済を打破しようとするものであり(右下グラフ参照)、日本経済にとって歓迎すべきものと言えるでしょう。

ただし、年2%の物価上昇は、5年で物価が1割強上昇することを意味しており、この先、来るかもしれないインフレ経済に対し、何らかの対応措置を考えておく必要もありそうです。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません)(2013年1月25日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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