アフリカ進出企業、アルジェリア事件発生前から7割が”治安”について懸念

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日本貿易振興機構(ジェトロ)は23日、「在アフリカ進出日系企業実態調査」の結果を発表した。

同調査は、2012年8月1日〜10月31日の期間に在アフリカ進出日系企業を対象に行われ、168社から有効回答を得た。

それによると、アルジェリア人質事件発生前の時点で、アフリカにおける経営上の問題点として「政治的・社会的安定性」を挙げた企業が87.8%に上ることが判明。

この数字は、2007年の前回調査より15.7ポイントも増加している。

具体的には、「治安」が79.8%、「政治リスク」が72.9%、「汚職・わいろ」が56.6%などとなり、企業からは「安全対策のためのコストがかさむ」といった声が寄せられた。

このほかの経営上の問題点としては、「規制・法令の整備、運用」が77.7%、「雇用・労働の問題」が72.3%、「インフラ環境」が60.8%、「現地調達が困難」が46.6%などとなった。

一方、過去5年間の業績について尋ねたところ、半数以上の51.6%が「改善」と回答し、アフリカビジネスは依然好調を維持していることがわかった。

過去5年間におけるビジネスの重要度の変化については、55.3%が「増した」と答えたほか、今後の重要度の見通しについても、67.3%が「増す」と回答した。

今後の事業展開の方向性に関しては、58.7%が「進出国内でのビジネス拡大、新規投資を予定・検討中」と回答。

以下、「現在のビジネス規模を維持」が32.9%、「アフリカ内の他国への進出を予定・検討中」が31.6%と続いた。

事業拡大を検討している有望分野としては、個別コメントでは「消費市場」「農業開発」「通信」「医療」「環境技術」などが多く見られた。

このうち、「消費市場」において今後注目している顧客層としては、「中間層」が83.3%で最多。

次いで、「富裕層」が36.4%、「女性」「25〜30歳未満」が同ポイントの24.2%となった。

最も競合関係のある企業を聞くと、トップは「欧州系企業」の23.9%(2007年33.0%)、次に「日系企業」の17.2%(同38.5%)と続いたが、ともに前回よりシェアは低下。

一方、「中国系企業」は16.6%と前回の3.7%から12.9ポイントも増えた。

また、前回は「その他アジア系企業」(同2.8%)に分類されていた「韓国系企業」については、今回は12.9%もの企業が競合関係にあると回答した。

日本政府の支援強化について、「強化すべき」と答えた企業は74.3%。

具体的には、「相手国政府への各種要望伝達(制度構築、改善指導など)」が57.8%、「情報提供」46.9%、FTAや租税条約、投資保護協定などの「二国間協定締結」が43.8%、「日本政府高官によるトップセールス」が33.6%などとなった。