日本が誇る天才スキージャンパー=高梨沙羅。まだ10代の後半に差し掛かったばかりの少女は、昨年3月のスキージャンプW杯で日本選手初の優勝を飾り、はやくも日本のエースとして世界中から注目される身となった。

だが、昨年12月、高梨は公開練習のジャンプ着地時、バランスを崩して前のめりに突っ伏す形で転倒、救急車で搬送されている。高梨に何があったのか――。TBS「NEWS23クロス」(23日放送)では、「高梨沙羅(16)の意外な悩み」と題し、ドイツ遠征の高梨に密着した様子を伝えた。

ドイツの女子ジャンプ・バウワー監督が、同番組のカメラに対し「沙羅はマシンのようだ。機械のように同じフォームで飛べるから不調になることもない」と語る通り、高いレベルで安定した成績を残せることこそ、高梨の強みとなっているが、意外すぎる彼女の悩みとは、なんと“飛びすぎる”ことにあるという。

飛距離を競う競技のため“飛びすぎる”ことは喜ばしいはずだが、実際のジャンプは、飛距離が出れば出るほど、着地する傾斜の角度が浅くなる。その分、着地した時の衝撃は強くなってしまい、この衝撃を受け止めるだけの身体が出来上がっていない16歳の高梨にとっては、大きな悩みになる。

「今、自分が一番注意しているのは・・・」。高梨が語りはじめたところで、ニュース速報が入り、同特集は終了となったが、すでに今年の女子ワールドカップ第5戦、第8戦で優勝を果たしているだけに、その改善は順調に進んでいるのだろう。他の選手とは違った悩みを抱える日本のエースが、1998年の長野五輪以降、メダル獲得がない日本スキージャンプ界の救世主となる。

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