映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」。先日、行定勲監督と出演の阿部寛さんの対談をお届けしました(阿部寛×行定監督「女の胸」が男に訴えるもの)。艶や女性キャラクターたちについて男性目線で語っています。では、これはどんな映画なのでしょう。今回は、映画の作品紹介です。

 誰かと付き合って、親密な関係を築き、愛し合うようになる。同棲したり、結婚して夫婦になったりする。相手のことを何でも知っていると思っていても、実は彼には自分の知らない過去があった。“その女”は強烈な存在で、別れた今でも彼の心の大きな部分を占めている…。

 女として、そういう女の存在はいやですよねぇ。できれば知りたくないけれど、“その彼女”の存在に気づいてしまったら、たとえ過去の話でも、探ってしまいたくなる衝動を抑えられない気がします。

 「つやのよる」は、“艶”という名の謎の女がさまざまな男と関係を持ち、その男たちの恋人や妻、娘が艶の存在を知って心をかき乱される、センセーショナルな恋愛アンサンブル映画です。大人の男女の恋愛を書き続ける直木賞作家・井上荒野さんの同名小説を、行定勲監督が豪華キャストを起用して完全映画化したものです。


「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」
 艶と出会い、彼女と大島に駆け落ちしてきた松生春二(阿部寛)。艶と結婚した後、松生は奔放な妻の不貞に悩まされ続けますが、何度裏切られても、松生は艶を献身的に愛し続けます。

 ところが、艶は病に冒され、昏睡状態になってしまいます。これまで何度となく、ほかの男との情事を見逃してきた松生でしたが、艶を失うことだけは耐えられそうにありません。そんな状況の中、松生は、艶が過去に関係を持った男たちに連絡を取り、彼女の死期が近づいていることを知らせて、男たちの愛の深さを確かめようと思いたちます。

 松生が連絡したのは、東京で一見平穏な生活を送っている何組かのカップルや家族。その中の1人の男は自殺を図っており、突然夫を亡くした妻のサキ子(風吹ジュン)は心の整理がつかないまま、松生から連絡をもらい、大島を訪れます。


 ほかにも、艶の危篤を知らされた夫や恋人のそばにいた女たちは、それぞれの様子から、男たちと艶の肉体関係に感づいてしまいます。突然、自分たちの人生に割り込んできた艶という存在。彼女は一体、どんな女なのか?

 困惑する女たちは、“大切な人”の愛を確かめ、見つめ直し、本物の愛の在りかを探そうとします。


 取材を進めていた私は、本作の撮影現場を見学させてもらったのですが、そのシーンは、やはり艶の存在に翻弄される2人の女性のバトル・シーンでした。


 妻と愛人が赤ワインをぶっかけ合い、つかみ合いのけんかをするというシーンでしたが、小泉さんも荻野目さんも大女優の風格で、“ザ・修羅場”を演じ切っていて、素晴らしかったです! 私はドキドキしながら見学していたのですが、行定監督はモニター前で爆笑。監督は、「このお二人が戦ったら絶対に面白いだろうな」と思ったそうで、緊張感を保った撮影でありながら、コミカルな色合いが強いシーンが完成しました。実は、このシーンには、原作者の井上荒野さんとご主人がカメオ出演(ゲストとして短時間だけ特別に出演する)されています。

 愛には、正しいとか間違っているという正解はないですよね。与え過ぎたり、求め過ぎたり、ときにはコントロールできず、自分で自分を追い詰めたりと、愛によって人生は大きく変わるもの。相手との、1対1の恋愛だけでも悩みは尽きないのに、愛に貪欲な艶のような女がもし割り込んできたら!? さまざまなことを考えさせられる「つやのよる」を見て、ますます愛の奥深さを痛感しました。ぜひ、誰かと一緒に本作を見て、愛について存分に語り合ってください!

 次に、試写会を見た女性たちの感想を聞きました。「愛について」語っています。

 1月13日、女性限定の試写会が行われました。そのときのアンケート結果から、参加者の声をご紹介します。

◆艶とは、どのような女性だと思いますか。

●魔性だけど、さびしい人(38歳・会社員)●自分の本能・欲望のままに動く女性。ある意味うらやましかった(32歳・会社員)
●自分の生きたいように生きた感じですが、一人の男性を愛せず、かわいそうな女性だと感じました(38歳・会社員)
●結局、自分だけを愛している女(37歳・会社員)
●自分を愛してくれる人を探し続けた女性(29歳・会社員)

◆松生のような男性をどう思いますか。

●一途でステキだと思う。(映画の中の言葉にもあったように)あんな風に愛されたい(32歳・会社員)
●艶に振り回されながら、愛を貫く男。そして、自分の心情に気付くことのできない不器用な男(37歳・会社員)
●独占欲の強い人。ちょっと怖いです(45歳・会社員)
●真面目だけど、どこか破滅願望があった男(35歳・会社員)
●どんなに裏切られても愛する姿は、うらやましくも感じた。ただ、一度人を裏切ってしまったから、艶への愛に執着していただけかもしれない(27歳・会社員)

◆この映画を観て、あなたの恋愛に役立ちそうな点は?

●理屈では割り切れないことがあるということ。それはやっぱりある程度経験を積まないと分からないものなんたどうということ。また、自分の気持ちに正直にいていい、そういう恋愛をしていきたいと思いました(32歳・会社員)●どの人物も、愛することに対して正面からぶつかっていると感じた。気持ちを表現しすぎることも、それはそれで美しいことなのかもしれない(27歳・会社員)
●自分の関わった恋愛にも、たくさん関わった人がいるのだろうなと思った。周りの人のことを考えていきたい(27歳・会社員)
●恋は「落ちるもの」。理由やルールはないから、もっと自由にしてもいいんだと感じた(35歳・会社員)
●恋とか愛って、きれいなだけじゃないと感じた(27歳・会社員)

◆あなたの「理想の恋愛」とは?

●愛し愛され、おいしいものやキレイな景色を一緒に楽しみたいと思えるような間柄。穏やかで信頼関係のある恋愛が理想(27歳・会社員)
●付かず離れず、相手を尊敬できる関係(39歳・会社員)
●相思相愛。互いに同じくらい好きでいられること。どちらか一方が好きすぎるとつらい(27歳・会社員)
●お互いを高め合え、意見の合わないときに折り合いをつけていこうとする(25歳・会社員)
●どんな形であれ、その恋愛が終わり、振り返ったときに、「良い想い出」として自分自身が納得できること(37歳・会社員)

 「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」は、1月26日公開です。ご覧になったら、ぜひ感想をお聞かせください。