インテリア文化研究所(本田榮二代表)は、先般ドイツ・フランクフルトで開催された「ハイムテキスタイル」での欧州壁紙業界の首脳インタビューを基に、フリース壁紙の世界市場動向を分析、このほど具体的数値を発表した。
フリース壁紙が2003年に「ハイムテキスタイル」で初登場して以来、本田氏は毎回調査を続け情報を発信し続けてきた。今回発表したのは2012年の世界のフリース壁紙世界市場規模で、現時点の市場規模は22億9000万平米、世界シェアは51%と推定した。フリース壁紙の世界シェアが50%を突破するのははじめて。
地域別には、フリースのシェアが高い地域は、ロシアと南米の各80%、次いで欧州66%、対照的に低いのはアジア22.5%。欧州も国によって状況が異なり、ドイツやイタリア、東欧、北欧のように80%に達する国もあれば、イギリスのように30%と低い国もある。一方、アジアが低いのは日本のゼロが数値を引き下げている。本田代表は「普及が進んでいる諸国は2類型あり、第1類型はロシアや北欧など寒冷地域の国。寒冷地ではフリース壁紙の寸法安定性が評価されている。従来タイプの裏打紙では気温が低下するとオープンタイムが不安定になる難点があった。その点、フリースは『紙』のような水素結合ではなく、バインダー(接着剤)結合であるため強度が強く伸縮がほとんど皆無という長所がある」と述べている。
次に「第2類型はドイツやイタリアなど輸出比率の高い国、換言するとグローバル企業が多い国といえる。南米などはドイツやイタリアなどからの輸入比率が極めて高い。グローバル企業は不特定多数の国々へ輸出するので多種類言語の施工要領書が必要。その点、フリースは注意事項が極めて少ないので施工要領書も極端にいえば不要。さらにクレーム対応の煩雑な手間も割愛出来るだけに大きなメリットがある」と述べている。
また本田代表は、逆に普及が遅れている国々の共通点について、「1つは前述の項目に関連するが、国内にグローバル企業が不在ないしは極端に少ない国。2点目は日曜大工(DIY)の普及度が低い国」という2点あげ、前者の代表が日本、後者はイギリスと日本が該当するとしている。本田代表は日本市場について、「壁紙生産量世界第3位という壁紙大国でありながらフリース普及度は最後発グループ。それだけにドラスチックな変化が一気に到来する可能性がある。フリース壁紙の生産に踏み切るかどうかは別にして情報収集と準備はしておくべき」と助言している。さらに、欧州市場でフリースが伸びた背景にはデジタルプリント壁紙の普及があるとし、「19世紀、世界的に普及したパノラマ壁紙のブーム到来であるが、攻略法を日本流に手直しすれば障壁画の伝統が脈づいている日本で普及する可能性はある」としている。

なおインテリア文化研究所では「ハイムテキスタイル」を含む欧州4大展示会のトレンドセミナーを2月6日(水)PM1:30〜5:00、東京京橋のLIXIL銀座ショールームで開催するが、フリース壁紙の現状と展望や欧州企業のデジタルプリント壁紙への取組みも報告する予定。講師には本田代表以外にもColor Design Farm代表の網村真弓氏「欧州4大見本市のカラー&デザインを徹底分析する!」と、アルファスパッチオ主宰の奥村公子氏「豊富な映像で楽しむ欧州4大見本市!」が予定されている。
セミナー参加希望者は下記まで。申込者数が定員に近づいているとのことで、早めの申し込みを呼びかけている。

■セミナーの申し込み・問い合わせ先
TEL:042-486-7972/FAX:042-486-7973(インテリア文化研究所)
携帯:090-2661-3105(本田榮二氏)
メール:e-honda@wine.ocn.ne.jp

■関連ニュース
インテリア文化研究所 4大見本市最新トレンドセミナー2/6に開催