米ツアー本格参戦をスタートさせた石川遼 初戦は予選落ちに終わった(撮影:福田文平)

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今季の米ツアー開幕第3戦、ヒューマナ・チャレンジは3人によるプレーオフを制したブライアン・ゲイの優勝で幕を閉じた。
B・ゲイが3つ巴プレーオフを制し逆転優勝!
94年にプロ転向したゲイは、すでに41歳。二軍ツアーを経て99年から米ツアー参戦を開始したが、初優勝までに10年の歳月を要した。年間2勝を挙げ、フェデックスカップ9位になった09年が黄金期。だが、以後は優勝から遠ざかり、今大会で4年ぶりに勝利の美酒を味わった。経験を積み上げるには、どうしたって時間がかかる。やっとの思いで勝利を挙げても、次なる優勝は簡単には得られない。「昨年は苦しんだ。自分を信じ、なんとかもう1度と思って今季に挑み始めた」。ゲイの言葉に噛み締めてきた苦悩が滲み出ていた。
ところで、今年から米ツアーに登場したルーキーは全部で30人。今大会には24人が出場し、決勝進出は13人。予選通過と予選落ちがほぼ半々という割合は、ツアーでの経験がいかに大きなモノを言うかを物語っている。
正式メンバーとしての初戦に挑んだ石川遼も今年がルーキーだと思われがちで、石川本人もそう思っていたのだが、実を言えば彼のルーキーイヤーは昨年のうちに過ぎ去っていた。特別臨時会員資格を得た後に10試合をこなすと、11試合目以降はルーキー扱いになる。つまり石川は昨年の全米プロとウインダム選手権をルーキーとしてプレーしていたことになり、今年の石川はすでにルーキー以上のツアー経験を有する選手とみなされている。
だが、その石川は予選カットラインに7打も及ばず予選落ち。その一方で、トップ10に食い込んだルーキーが2人もいた。1人は、プレーオフに進出し、2位になったデビッド・リングマース。もう1人は4位に食い込んだジェームズ・ハーンだ。
リングマースはスウェーデン出身の25歳。米ツアーわずか2試合目で優勝に王手をかけた。ハーンは韓国出身の米国人で31歳。昨年の全米オープンを含めても、今大会は米ツアーわずか3試合目でトップ5入りを果たした。ちなみに石川は今大会が米ツアー45試合目だった。
米ツアー経験がたった2〜3試合のルーキーと、試合経験が豊富なはずの石川。彼らの明暗を分けたものは何だったのか。そう考えたとき、1つだけ明言できるのは、米ツアーの二軍経験の有無だ。リングマースは2年間、ハーンは3年間、二軍のウェブドットコムツアーを戦い、昨季賞金ランクでリングマースは10位、ハーンは5位となって今季の米ツアー出場権を獲得した。
ウェブドットコムの大会はコース設定の難度が米ツアー並に高い。年間を通して広大な大陸を転戦していくという面でも、ほぼ米ツアー参戦の疑似体験ができる。そんな二軍ツアーでの経験を石川が持ち合わせていないことにもちろん罪はないけれど、米ツアーには二軍ツアー出身者が山ほどおり、無名のルーキーと言えども石川以上に場数を踏んでいるのだ。
さらに言えば、現在の米ツアーはシステム変更の過渡期にあり、その変更の大半は二軍ツアー出身者を今まで以上に重要視するものばかりだ。タイガー・ウッズやローリー・マキロイは雲上人。石川の当面の直接的なライバルは、こうした二軍ツアー出身者だと思ったほうがいい。
日本の石川が本気で身を置き始めた米ツアーには、それほどつわものたちがひしめいている――この事実を石川自身も日本のファンも、しっかりと認識する必要がありそうだ。
文/舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
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