相米監督を懐かしむ三浦友和と工藤夕貴

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2001年に死去した鬼才・相米慎二監督のテレビ演出作品などを含む、全16作品を特集する「甦る相米慎二」相米慎二監督全作品上映+αの開催を記念し1月20日、「台風クラブ」に出演した三浦友和と工藤夕貴が都内の劇場で舞台挨拶に立った。

同特集は、エディンバラ国際映画祭、ナント三大陸映画祭、シネマテーク・フランセーズを経ての凱旋上映で、「セーラー服と機関銃」「ションベン・ライダー」「ラブホテル」「雪の断章-情熱」「東京上空いらっしゃいませ」「お引越し」「風花」など、全16作品を一挙上映する。

相米監督の代表作「台風クラブ」(85)は、台風の接近とともに突然狂気に襲われた中学3年生たちの4日間を描いた意欲作。当時大スターだった三浦は、本作で優等生のイメージを脱ぎ捨て新境地に挑んだが「『これは俺の役じゃないだろ、何でこんな映画作るんだ』と思っていた。僕は32歳だったけど、台本もよく分からなかったし、できあがって試写を見てもワケが分からないし(笑)。でも、こんな素晴らしい映画に出させてもらえたんだと今思う。それが相米映画」と感慨深げ。また、「実は私の役の第1候補は糸井重里さんだった」と明かし、「糸井さんが断ってくれたおかげで相米さんに出会えた」とめぐり合わせに感謝した。

当時13歳だった工藤も、「あれから29年経ってしまった。私は『逆噴射家族』から2本目で、右も左も分からなくて、オーディションに行った時もできれば受かりたくなかった。だから、『私、主役以外やりません』『私は長い髪がトレードなので切りません』とかとんでもないことを言っていた」。すると三浦も、「大人びていて、一人だけ浮いていたよね。良い意味で目立っていた。だから相米さんも選んだのだと思う」と深く納得。そして、「工藤さんが『相米さんに出会っていなければ今の自分はいない』と言っていたけど、僕も全く同感。映画の中の仕事の仕方の基本、俳優として一番大切なことを教えてもらった。監督に心から感謝している」と敬意を表していた。

工藤は、三浦の第一印象を「大スターなので感じの悪い人なんだろうなと思ってたけど、良い意味で普通の方で感動した。私は奥様(山口百恵)が大好きで、カバーでCDを出したいくらい。生き方とこびない感じが好きだった。(自分との共通点は)誕生日と干支くらい」と心酔しきり。本作以降、再会することがかなわなかったという相米監督には「頭とかじゃなくて、心と体でお芝居することが大事ってことを本気で教えてもらった。そこまで徹底的に追いつめてくれる人に出会ったことがなかった。今会いたいのに会えなくて、心に穴が空いたままな気がする」と思いを馳せていた。

「甦る相米慎二」相米慎二監督全作品上映+αは、渋谷ユーロスペースで2月1日まで。

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