株式や投資信託、FX(外国為替証拠金取引)の各取引を行なっている個人投資家にとって確定申告は悩ましい問題だ。そこで税理士の宝田健太郎氏に確定申告の要・不要、そして、申告をすることで有利・不利になるケースについて解説してもらった。

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 確定申告をしなければいけない人はどんな人か。まずは株式の売却益がある人で、「源泉徴収なしの特定口座」、または、「一般口座」を利用している人である。特定口座とは、証券会社が個人投資家向けに提供している口座のこと。この特定口座内で、上場株式などの売買を行なうと、証券会社が投資家に代わって売却損益などを計算してくれる。そのため、投資家は簡単に確定申告をすることが可能となる。

 ただし、特定口座でも源泉徴収をしてもらうことが可能で、その場合は、確定申告は不要となることに注意したい。

 また、FXで利益が出ている人も確定申告は必要。FXの売却益は、すべて申告分離課税の対象となる。

 次は、確定申告をすると有利になる人だ。まず、複数の証券会社で取引をしていて、一方で利益があり、他方で損失がある人は、損益通算をすることができる。同じく、株式の売却損と配当金も損益通算が可能。ただし、特定口座内に配当金を受け入れることが可能となっているので、同一の特定口座内であれば、証券会社が損益通算を行なってくれるので、申告は不要となる。

 また、給与などの他の所得が少なく税率が低い人、具体的には年間所得が330万円以下の人は申告をすると有利になる。330万円以下だと、所得にかかる税率はトータルで10%未満となり、源泉徴収の税額10%を下回ることになるからだ。これを配当控除の適用と呼ぶ。

 株式の売却損を翌年以降へ繰り越す人も申告は必要。同じ年の他の株式等と相殺しても、なお損失が残る場合は、残った損失を連続して確定申告をすれば、売却翌年後の3年間にわたって株式等の売却益と相殺することができる(売却損の3年間繰越控除)。売却損があっても、その年に相殺できる利益がなければ、繰越をしておく方が良いだろう。「株式等」には、投資信託や上場株価指数投信(ETF)などが含まれる。また、売却損の3年間繰越控除はFXでも行なえる。

※マネーポスト2013年新春号