瀕死の子犬がウォッカで復活、3日におよぶ治療でボトル半分ほど摂取。

写真拡大

子犬を飼い始めたばかりとなれば、どんな飼い主だってかわいくて仕方がない時期。ただ、いつやんちゃな行動をして危険な目に遭うとも限らないから、油断して目を放さないよう気を付けなくてはならない。オーストラリアのある女性は先日、友人の家に生後10週目の子犬を連れて遊びに行った際に、子犬が誤って車に使う不凍液を舐めてしまい、衰弱していく事態に陥った。すぐに動物病院に運ばれた子犬に、獣医はウォッカを用意して治療を始めたという。

豪紙ヘラルド・サンや豪ニュースサイトNinemsnなどによると、子犬を危険な目に遭わせてしまったのは、ビクトリア州トゥルーガニーナに住む27歳の女性、ステーシー・ザミットさん。彼女は「クリスマスプレゼントでもらった」(米放送局CBS系列WTVR-TVより)メスで生後10週目のアメリカン・スタッフォードシャー・テリア犬、クレオを飼い始めたばかり。すでに「最愛の存在」と言うほど溺愛する彼女は、先日、友人の家にもクレオを一緒に連れて行ったそうだ。

ところが、友人の家にあるガレージへ出向いたときに事故は起きてしまった。車の部品を舐めたクレオが、30分もしないうちに足がふらつき始め、食べ物も摂らない状態になった。原因は、部品に付いていた自動車用の不凍液。主成分として使用されているエチレングリコールによって中毒を起こしたクレオは、腎不全に陥りかねない危険な状態となり、目の充血など明らかな異常を引き起こしていた。

当初、訳が分からなかった彼女は、一旦クレオを連れて帰宅。しかし、夜になってもエサを食べず、泣きやまない愛犬に不安を感じて、ようやく動物病院へと運んだ彼女は獣医に経緯を説明した。

話を聞いて「わすか3キロの子犬だから、少しの不凍液でも有毒性が高い」と考えた獣医はすぐに対処。エチレングリコール中毒に対して、解毒剤となるのがアルコールだそうで、用意しようと探したものの、そのときは不運にも院内に在庫がなかった。すると看護師から「プレゼントされたウォッカが車の中にある」と聞き、獣医はそのウォッカをクレオの治療に使う決断をした。

アルコールを流し込めば、体内の「中毒反応が止まり」容態改善が見込めるといい、クレオは鼻に繋がれたチューブから数時間おきに少量ずつウォッカを摂取。治療は3日間に及び、クレオはボトルの半分ほどのウォッカを流しこまれた結果、「明らかに酔っていた」状態になりながらも中毒症状は改善し、元気を取り戻したという。帰宅したクレオを「よく眠ってよく食べて、今は本当に幸せそうに見える」と話したザミットさんも、飼い始めたばかりの愛犬の姿に一安心といったところ。恐らく人が言うまでもなく、彼女はこれから行動に一層注意して、クレオを大事に育てることだろう。