紙の書籍と電子書籍、売れ筋に違いはあるの?




なかなかやって来なかった電子書籍ブームですが、Kindle(キンドル)の上陸により、徐々にブームが近づいてきた感じがします。まだ買う派・買わない派が分かれている電子書籍。実際、どんなタイトルのものが売れているのでしょうか? 紙の書籍だと売れるけれど、電子書籍では売れない系統もあるのか気になります。今の電子書籍事情、今後の展開などについて取材してみました。



■徐々に増えはじめた電子書籍



教えてくれたのは、電子書籍作成販売サービス「パブー」を提供しているブクログのディレクター・大西隆幸さん。パブーは2010年6月にスタートした個人の電子書籍作成販売サービスで、有料・無料の電子書籍が約29,000冊(2012年12月21日現在)公開されています。



――私は本を読むのが好きなのですが、実はまだ電子書籍を買ったことがありません。電子書籍の普及のスピードが遅い印象があるのですが……。



「昨年はkoboを皮切りに、AmazonのKindleの端末発売や、GoogleのGooglePlayブックストアがスタートしたりといった大きな動きがありました。また年始に、Appleの電子書籍ストアが近日中にスタートするという大きなニュースがありました。そういう意味では少しずつ電子書籍化も進んでいますが、ユーザーさんからは読みたい本が電子書籍になっていないなどの声を聞きます。



日本では、電子書籍にするために著者から許諾を得ないといけないこともあり、手続きが必要だったり、そもそも著者と連絡が取れない場合もあったりします。そうしたさまざまな事情により、電子書籍の冊数が満足にそろってないという状況もあるのです」



――現在の電子書籍は、どんなジャンルのものが売れているのですか?



「業界全体では、Kindleやkoboが来る前から、電子書籍といえばコミックがよく売れていたという状況でした。コミックに関しては、大手の出版社が電子書籍化を進めており、一時期はランキングの上位の大半を占めていたときもあったんですよ。



ただ、最近はランキングを見ていると、小説やビジネス書も売れるようになってきた印象があります。価格帯としては、100〜300円ぐらいの本がよく売れている気がします」



――逆に、紙の書籍だと売れるけれど、電子書籍だと売れないジャンルはあるのでしょうか?



「紙の本で手元に残しておきたいと思う本、例えば紙でしか表現できない本とか、装丁や紙にこだわっている本は、電子書籍では売れないですね。また、実用書などは、すごく売れているという話は聞かないですね」



――今後、電子書籍はどうなっていくと思いますか?



「紙の本と電子書籍の同時発売というのは、増えてくると思います。また、電子書籍は出版社を通さずに出せるということから、電子書籍のみの作品というのも登場してくるでしょう。本を読まれる方にとっては、おもしろい作品が世の中にふえてくるという良さはあると考えています」



今まで出版されていないような、ニッチな分野の書籍も出てきそうですよね。



■気軽に本を出版できるのも電子書籍の魅力



パブーでは、一般の方も電子書籍を出版しています。電子書籍を書きたいという方のために、書き手側のことも訊いてみました。



――パブーでは、どんな人が本を書いているのですか?



「弊社のパブーでは、簡単に著者になれます。自分の作品がいろんな人に見てもらえるというのは、それだけで魅力だと思います。マンガや小説、ビジネス書や写真集といろいろなジャンルの作品が公開されています。絵本も人気の高いジャンルです。ジャンルの偏りは、今のところあまり感じません」



――電子書籍を出してみたい人に何かアドバイスはありますか?



「本を出したあとに読んでもらうというのは、実はとても大変だったりします。まだ、どういったプロモーションが効果的かなどの情報は、海外からの情報が中心ですが、最近ではそういった情報をまとめた電子書籍やブログも出てきていますので、そういった情報を集めて実践されることをおすすめします」



――最後に読者へメッセージをお願いいたします。



「電子書籍ですが、読まれたことがない方も多いのではないでしょうか。ご存じない方もおられますが、スマートフォンでも読めたりします。専用端末を買わなくても体験できますので、『電子書籍ってどうなんだろう?』って思っておられる方は、スマートフォンなどお持ちでしたら、それで体験いただければと思います。



また、電子書籍を出したいという方は、弊社のパブーでぜひ一度チャレンジしてみてください!」



ちょっとした隙間時間に、短めの電子書籍を読むのも楽しそうですよね。大西さん、どうもありがとうございました。



取材協力:ブクログ http://booklog.co.jp/

電子書籍作成販売サービス「パブー」 http://p.booklog.jp/



(OFFICE-SANGA 臼村さおり)