鳩山由紀夫・元首相が北京市内で16日、中国の全国政治協商会議ので賈慶林主席や楊潔チ外相らと会談し、尖閣諸島について「係争地であることを(日中)双方が認めた上で解決を探るべきだ」と述べた。中国の一部メディアは鳩山元首相の発言を紹介したが、同発言を評価するコメントは、ほとんど見当たらない。

写真拡大

 鳩山由紀夫・元首相が北京市内で16日、中国の全国政治協商会議ので賈慶林主席や楊潔チ外相らと会談し、尖閣諸島について「係争地であることを(日中)双方が認めた上で解決を探るべきだ」と述べた。中国の一部メディアは鳩山元首相の発言を紹介したが、同発言を評価するコメントは、ほとんど見当たらない。

 人民日報系のニュースサイト「環球網」は16日午後10時10分付で、同ニュースを報じた。17日午前からコメントが集まりだしたが「注意しろ。日本人の策謀だ」、「領土問題は存在しない。古来から中国固有の領土だ」、「双方とも争議を認めず、両国の船がしばらくは関連海域で対峙する。そのうち、中国軍の力が真に強大になってから手を下すことになる」などの書き込みが続いた。

 鳩山元首相は自らの良心と信念にもとづいて発言したと考えてよい。ただし、「私は信じないぞ。日本はうそばかり」、「ずるい手段だ」などと、元首相首相の発言を「当局ぐるみの日本側の陰謀だ」と考えるユーザーも目立つ。

 ごく一部に「良心的な日本人だ。得がたい存在だ」と書き込んだユーザーもいるが、続けて「ただし実際には、釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)に争議は本来存在しない。というのは、中国の固有の領土だから」と意見を表明した。

 少なくとも現状では、鳩山元首相に発言に触発されて、尖閣諸島の問題を「もう1度冷静に考えてみよう」という民衆レベルの動きが起きる気配はない。(編集担当:如月隼人)(写真は「CNSPHOTO」提供、2010年6月撮影)