新卒採用にもグローバル化の波が押し寄せている。日本人・外国人留学生の採用活動を7割強の企業で実施していることなどが、経済団体の公益社団法人経済同友会が2012年9月15日〜10月19日に会員企業に実施した企業の採用と教育に関するアンケート調査で分かった。

 直近1年間に、新卒者(日本人、外国人問わず)を「採用した」企業は89.4%。「採用活動を行ったが、採用には至っていない」企業は1.6%。「採用活動を行っていない」企業は7.8%となった。

 そのうち、留学生と外国人の採用活動を実施した企業は、「採用した」と「採用活動は行ったが採用には至っていない」という回答を合わせ、日本人留学生で75.8%、外国人留学生で76.7%と7割以上の企業が留学生採用を行っている。外国人新卒者でも42.3%の企業が採用活動を行っていた。

 さらに、日本人留学生、外国人留学生、外国人新卒者を採用した企業の割合は、日本人留学生で33.6%(製造業41.2%、非製造業29.0%)、外国人留学生で45.7%(製造業61.2%、非製造業36.6%)、外国人新卒者17.7%(製造業23.5%、非製造業13.8%)。業種別では製造業がグローバル採用に熱心な状況が分かる。

 日本人留学生、外国人留学生、外国人新卒者の新卒採用者の全体に占める割合だが、受け入れ態勢の課題もあるためか「5%以下」が主流となっている(日本人留学生:製造業68.6%、非製造業71.4%、外国人留学生:製造業71.2%、非製造業66.0%、外国人新卒者:製造業80.0%、非製造業50.0%)。

 日本人留学生、外国人留学生、外国人新卒者を採用した企業のうち、今後1年間の採用数を「増やす予定」とする企業の割合は、日本人留学生で製造業34.3%、非製造業11.9%、外国人留学生で製造業32.7%、非製造業15.1%、外国人新卒者で製造業30.0%、非製造業35.0%となっており、採用意欲の高まりが予想される。日本人留学生と外国人留学生の採用では、「減らす予定」とした企業はなかった。

 採用方法だが、日本人留学生、外国人留学生の採用は、通常の日本人の新卒学生と同じ枠組みで募集・採用している企業が7割以上(日本人留学生76.1%、外国人留学生71.3%)を占めた。外国人新卒者の採用活動では、「日本本社でのみ採用」(56.1%)、「日本法人と現地法人の両方で採用」(25.5%)、「現地法人でのみ」(2.0%)となっている。

 直近1年間に留学生を採用していない企業でも約半数(日本人留学生で製造業60.0%、非製造業55.3%、外国人留学生で製造業57.6%、非製造業48.9%)が、今後、留学生を「採用対象とする予定」と回答しており、新卒採用におけるグローバル化が一層進む傾向にある。

 グローバル採用を実施する主な理由は、多くが「グローバル化への対応」、「ダイバーシティの推進」を挙げているが、日本人留学生の場合は「語学力および行動力、主体性、プレゼンテーションスキル等への期待」を複数企業が挙げている。

 新卒者の採用時期については、「春の一括採用のみ」と回答した割合は、日本人新卒者(69.4%)、日本人新卒留学生(59.1%)、外国人新卒留学生(64.0%)、外国人新卒者(44.9%)、既卒者(52.0%)となっている。「春の一括採用のみ」企業でも、今後、約半数が「秋採用導入の予定」「通年採用の移行を予定」「秋採用、通年採用を検討」と回答しており、採用時期の見直しが進みそうだ。

 調査は、経済同友会会員企業818社を対象に実施し、255社から有効回答を得た(回答企業の連結従業員数:1万人以上27.1%、1000人以上28.7%、1000人未満14.5%、無回答29.8%)。回答企業の新卒社員採用数合計は約2万4500人(大学院博士課程修了・満期退学、大学院修士課程修了、大学学部卒業、短期大学卒業、高等専門学校卒業、高校卒業の合計人数)。

[人材採用・育成の人事専門誌「日本人材ニュースHRN」Vol.166(2012年11月29日発行)より一部抜粋して転載] ※記事の内容は掲載時点のものです。

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