労働力人口、”経済ゼロ成長”の場合は2030年には954万人減--2010年比

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労働政策研究・研修機構はこのほど、研究結果「労働力需給の推計―労働力需給モデル(2012年版)による政策シミュレーション―」を発表した。

同資料は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(2012年1月推計)、および政府の「新成長戦略」(2010年6月18日閣議決定)、「日本再生戦略」(2012年7月31日閣議決定)の目標値を踏まえ、将来の性・年齢階級別労働力人口及び就業者数、並びに産業別就業者数について、3つのシナリオにわけて計量経済モデルによるシミュレーションを実施したもの。

3つのシナリオとは、ゼロ成長に近い経済成長で、性・年齢階級別の労働力率が2010年と同水準で推移すると仮定した「ゼロ成長A」、各種の経済・雇用政策をある程度講ずることにより、年率1%程度の経済成長で、若者や女性、高齢者などの労働市場への参加が一定程度進む「慎重B」、各種の経済・雇用政策を適切に講ずることにより、年率2%程度の経済成長で、若者や女性、高齢者などの労働市場への参加が進む「成長戦略C」となる。

それによると、2030年の労働力人口は、ゼロ成長Aの場合、2010年の労働力人口6,632万人より954万人減少すると予測。

一方、慎重Bでは732万人減、成長戦略Cでは377万人減となると推計している。

2030年の労働力率については、ゼロ成長Aで54.3%、慎重Bで56.4%と2010年の59.7%より減少するが、成長戦略Cでは59.8%と2010年と同水準となる見込みとのこと。

2030年の就業者数は、2010年の就業者数6,298万人から、ゼロ成長Aで845万人減、慎重Bで620万人減、成長戦略Cで213万人減となると予想。

2030年の就業者数の性別構成については、ゼロ成長Aで男57.8%、女42.2%、慎重Bで男57.5%、女42.5%と、2010年(男57.8%、女42.2%)とほぼ同率となるが、成長戦略Cでは男56.3%、女43.7%と、女性の構成比が1.5ポイント上昇すると考えられる。

また、就業者数の年齢別構成は、人口の高齢化を反映し、60歳以上の割合が2010年の18.1%と比べて、ゼロ成長Aで19.5%、慎重Bおよび成長戦略Cで22.2%と、いずれも増加すると推測している。

2020年の産業別就業者数を2010年と比較すると、成長戦略Cで「新成長戦略」および「日本再生戦略」の成長分野に関連する「一般・精密機械器具」「電気機械器具」「輸送用機械器具」「情報通信業」「医療・福祉」「生活関連サービス」などが増加する見通し。

2030年の産業別就業者数については、「医療・福祉」の増加数が大きく、ゼロ成長Aで2010年より199万人増の855万人、慎重Bで272万人増の928万人、成長戦略Cで316万人増の972万人となると見込まれる。