円谷プロ史上最高の空中戦! 特撮『マイティジャック』の魅力は”操る”に”演じる”と書いて「操演」- DVD化記念トークショー

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昨年、29万人の動員を記録した「館長 庵野秀明 特撮博物館」の看板展示物であり、庵野氏が愛しているという空飛ぶ万能戦艦マイティジャック。

それが活躍する特撮ドラマ『マイティジャック』のDVD発売を記念してのトークショーが13日、東京・九段下の科学技術館で開催された「SUPER FESTIVAL61」の会場内で行われた。

マイティジャック第1話などを監督した満田かずほ氏、権田明隊員役で出演した二瓶正也氏、そしてマイティ号の復元に成功した原口智生氏の3名が壇上に現れると、場内に集まった、少しばかり年齢層の高い特撮ファンたちの表情が少年少女のように変わる。

円谷作品を中心に幅広く特撮作品に出演してきた二瓶氏は、我々にとっては永遠の憧れなのだなと早速実感させられた瞬間だった。

まずは、監督の満田氏がマイティジャックの誕生にまつわる話を語る。

当時はテレビ局の側から声がかかる形で番組が制作されていて、まずTBSで『ウルトラQ』『ウルトラマン』、日本テレビで『快獣ブースカ』が放送された。

そして、フジテレビでも何かお願いしますという経緯から、円谷プロの特撮技術を活かして、怪獣を絡めずメカ中心で何かできないかと企画が進んでいったという。

キャスティングについてはキャスティング担当者がレギュラーを決めていたらしく、二瓶氏も円谷プロからオファーを受けたらしい。

『マイティジャック』は、円谷プロ作品としては珍しく当時大スターだった日活の二谷英明、東映の南廣といった役者が出演していることも特色だったが、二瓶氏は次のように語っている。

二瓶:「僕は三船さん(三船敏郎)や宝田さん(宝田明)ともやってるし、なにしろカメラの前に立ったら大スターだろうが10日目の役者だろうが五分なんですよ。

だから大変なんですよ(笑)」これはなかなか深いお言葉で、どんな共演者でも気後れすることはない! というのと同時に、キャリアや能力の差なんていう言い訳は新人だろうと許されない、という撮影の厳しさの両方を含んでいる。

これぞ実写作品の面白さ、真髄でもあるといえるだろう。

さらに満田監督は撮影時のエピソードを語ってくれた。

満田:「『ウルトラマン』で一緒で親しかったので、僕はついつい二瓶ちゃんにばかり演技指導をしてたらしいんですよね。

それで二谷さんから監督すいませんが私にも演技をつけてくださいと言われて、かえって恐れ入っちゃったことがあって」二瓶:「歩いていて、僕が缶を蹴っ飛ばすシーンがあるんですよ。

そこ20回ぐらいNG(笑)。

さりげなく足に当てるんだって、歩数を合わせてね。

もう、(監督を)恨んだ恨んだ。

二、三日は口をきかなかったですね(笑)。

僕が下手だからいけない。

カッコいいシーンは得意なんだけどな」満田:「だからね、できると思っちゃうんだよ(笑)。

下手なんじゃなくてタイミングが合わなかったんだよね、カメラとのタイミングもあって」そして『マイティジャック』といえば、国際色というのも特徴のひとつ。

世界を舞台に活躍する秘密組織『マイティジャック』と地球制圧を狙う悪の一味”Q”の戦いを描く上で、苦労したのはロケだったそうだ。

満田:「パリ、モスクワ、ベトナム。

全部東京で撮ったの(笑)。

海外ロケなんかできなかったからね。

パリは四谷三丁目のバーや丸の内、モスクワも丸の内、ベトナムは東京美術センターに穴掘って塹壕を作って撮りましたね(笑)。

当時は海外に実景すら撮りに行けなかったからね」当時1ドル360円で、海外に持ち出せるドルが500ドルまでだったため、海外に行く費用は現在と比較にならないほど高かった。

そんな事情もありながら、特撮番組は熱い情熱で制作されていたのだ。