『人生賭けて〜苦しみの後には必ず成長があった〜』(小学館、金本知憲著)

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「バットをもっともっと振っておけばよかった」――2012年限りで現役引退した元阪神の金本知憲氏はこう振り返る。ホームランバッターとして活躍し、大ケガを乗り越え44歳までプレーしたが、チームへの貢献を考えると後悔が残るという。21年間のプロ野球人生を記した自伝『人生賭けて〜苦しみの後には必ず成長があった〜』(小学館)でさまざまな思いを語っている。

「苦しみを抜けた時は、やはり得るものがすごくある」

金本氏は広島・広陵高を卒業後、東北福祉大を経て1991年にドラフト4位で広島東洋カープに入団。FA宣言して2003年に阪神タイガースに移籍した。ファンからは「アニキ」や「鉄人」の愛称で親しまれた。

2500本安打の達成や連続試合フルイニング出場の世界記録を残しながらも、その陰には苦難や挫折があった。甲子園の出場経験はなく、大学入学に失敗して浪人を経験。カープも行きたい球団ではなかった。入団してからはウエイトトレーニングや1日1000本のバッティングを重ねたが、数年は結果を出せず苦しんだ。

阪神に移籍後の2010年には、練習中にチーム内の選手と激突して大ケガを負った。右肩の棘(きょう)上筋が断裂し、三角筋も「梅干しみたいに波打って半分ぐらいの大きさ」になっていたという。手術をしなければ復帰は難しいと医師から告げられたが、年齢を考慮してリハビリとトレーニングだけの復帰にこだわった。

金本氏はこうした苦難を経験しながらも、それを前向きに捉える。

「私の経験上、いい時から学ぶことというのは、非常に少ない。苦しみを抜けた時は、やはり得るものがすごくあるのだ。苦しい時ほど、自分は成長しているんだ。そう思って、前向きに生きていくことが大事だと思う」

同書には、赤星憲広氏や清原和博氏をはじめとする関係者の証言も掲載されている。

発売は2012年12月。価格は1575円。