スマートフォンやソーシャルメディアの普及と共に、情報環境が急激な変化を遂げている今日。人々の情報行動の変化に伴い「メディア」の在り方も変化を求められています。それはマスメディアだけの話でなく、個人が気軽に情報発信を行えるメディアとして定着したブログもまた、その在り方が見直される時期にきているといえるでしょう。

Baseball Journalでは「スマホ時代におけるスポーツブログのあるべき姿」をテーマに、2012年12月下旬、年末特別企画としてMLBに精通した人気ブロガー3名による対談を行いました。

ナンバーワン野球ブロガーとして人気の広尾晃さん(野球の記録で話したい)、外資系企業の部長にしてMLBライターという二股のわらじを履く豊浦彰太郎さん(豊浦彰太郎のMLBブログ Baseball Spoken Here!)、そして若手ライターとして活躍の場を広げているhalvishこと内野宗治さん(Splash Hits)。ブログメディアの在り方が転換期にある今日、人気ブログを運営する3人がどのような意識で日々のブログ運営を行っているのか、お話を伺いました。


◆「一人編集部的というか、一人雑誌社的な感じ」

――本日は、MLBに精通した野球ブロガーとして突出した存在感を持つお三方にお集まりいただきました。まず、それぞれにお聞きしたいのですが、各自ブログにどのような「役割」を求められているのでしょうか。まずは内野さん、いかがでしょう?

内野:
そうですね、自分にとってブログは、PV数やお金のことを考えず、純粋に書きたいこと、伝えたいことを自由に書くことができるメディアだと考えています。最近ではありがたいことに、ブログ以外にも他の媒体で書かせていただく機会もあるのですが、最も制約なく自由に表現活動を行えるのはやはりブログです。「自分の部屋」みたいな感覚があります。

――お金を貰って書く文章と、そうでない文章の違いですね。広尾さんはいかがでしょうか?

広尾:
私は元々ライター、コピーライターとしてずっと仕事をしていて、仕事で書く機会がないと(腕が)なまってくるのが嫌で、ブログを書き始めたんです。直接のきっかけを言うと、ある企業に勤めているときに「これを通らないと取締役にしない」という昇任試験がありまして、あまりの苦しさに気晴らしのため書き出したのが、野球のブログだったんですよ(笑)。それ以前から他のブログはやっていましたけど。で、書き出すと反響があったものですから、後に引けなくなった(笑)というのが率直なところですね。それで続けているうちに、野球のブログが段々メインになってきたので、現在まで続けているという状況ですね。

――今は、ブログをはじめた当初と比べ意識も変化したのではないでしょうか?

広尾:
今はお客さんがいらっしゃるということがはっきりしているので、その方々のために書かざるをえない、という気持ちはあります。義務感ではないですけどね。嫌ならやめてしまうでしょうから。でも、それなりに待ってくれている人たちのために書かなければ、と。シリーズものを続けて書いたりすると、途中で尻切れトンボになるわけにはいかないですよね。ある意味で、一人編集部的というか、一人雑誌社的な感じがありますね。

――それはメディアという意識が強いということですね

広尾:
そうですね。メディアという意識ですね。

――豊浦さんはいかがでしょう?

豊浦:
私の場合は、元々(スカイパーフェクTVのMLBコメンテーターとして)喋ることからはじめたので、その番組の放送が終わったときに、将来的には後継の局で復帰したいと思い、その間ある程度自分を知ってもらうための情報を発信し続けなければいけないと思い書き始めました。従って、インディペンデントなところで、ひっそりとマニアックに自分が好きなことだけ書くというやり方もあったのですが、やはり多くの人に覚えておいてもらえるやり方を取りました。Baseball Journal(以下BBJ)さんも含めてですが、スポーツナビさんのように元々ビューワーが多いところでやろうと。あと、前回のインタビューの際にも少し話しましたが、あと5年くらいでサラリーマンをやめようと思っていますので(笑)、それまでにサラリーマンをやめても最低限の生活ができるように、諸準備という思いでやっています。

内野:自分も、ブログはある意味で自分のポートフォリオというか、履歴書のような感覚はありますね。「自分はこういう記事を書けます」という何よりのPRツールになるというか。先日、某MLB雑誌の編集部の方にお会いしたのですが、ありがたいことに自分のブログを以前から読んで下さっていたということもありました。