マネーのトリビア (38) 「国債」ってなに? ”長期金利”や”インフレ”との関係は?

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ニュースなどでよく見聞きする「国債」。

問題になっているらしいけど、いったいどのようなもので、何が問題なのでしょうか。

「国債」とは文字通り、「国」が発行する「債券」。

では、債券とは何かというと、一種の「借用書」です。

国債を買うということは、国にお金を貸すということ。

国からみれば借金です。

借金ですから3年、5年、10年など返済期限が決まっていて、タダでお金を貸す人はいませんから利子も支払われます。

利率、つまり元本に対して1年あたりいくら利子がつくかは、国債が発行されるときの金利状況に合わせて決められ、それが返済期限(償還といいます)まで続きます。

国は期限がきたら元本を返済し、それまでのあいだ半年ごとに利子を支払うことを約束しているので、国債は償還まで持っていれば元本割れしない、安全な金融商品といえます。

ただし、債券は普通の借用書と違って、債券そのものを売買できます。

そのときの価格は、債券が発行されたときの価格(額面価格)ではなく、株のように売買の状況によって変動します。

国債を買っているのはおもに、銀行、生命保険会社など日本の金融機関です。

銀行や生命保険会社は本来、預金や保険料として集めたお金を企業に融資するのが仕事ですが、今、日本の企業は資金をあまり必要としていません。

かといって、金融機関は多くの資金をリスクの高い株などで運用することもできないため、国債を買っているのです。

個人の預金者も銀行を通して国債を買っていることになります。

国債は毎月発行されています。

ということは、国は毎月のように新たな借金をしているわけです。

なぜかというと、お金が足りないから。

日本は、税金などの収入より、支出のほうが多い状態がずっと続いており、足りない分は国債を発行して埋め合わせているのです。

その残高は年々増えて、2012年度末には700兆円を超えるまでになっています。

あまりに金額が多くてイメージがわかないかもしれませんが、現在の日本の人口が約1億2000万人なので、私たちはいつのまにか1人あたり約600万円の借金を背負わされていることになります。

また、国の経済規模を表すGDPに対して、国債残高がどのくらいかを見てみると、日本は214.1%。

つまり2倍以上ということです。

財政危機に陥っているイタリアでさえ122.7%ですから、日本は世界でダントツで1位の借金大国なのです。

これだけ借金が積み上がっても、国がきちんと元本を返してくれると信じているから、投資家は国債を買うわけです。

でも、あまりに借金が増えすぎると「もしかしてお金を返してもらえなくなるのではないか」と思う投資家が、その前に国債を売っておこうとすることもありえます。

そういう投資家が増えれば次々に国債が売られて暴落します。

国債の価格と長期金利は反対の動きをするので、国債が暴落すると長期金利は上がり、それによって物価が上昇して、インフレが起こります。

銀行などの金融機関は保有している国債の価値が下がるため、財務のバランスが崩れ、中には破たんするところも出てくるかもしれません。

日本経済に対する信頼も揺らぎ、円が売られて円安になり、海外から輸入している原油や食料の価格が上がり、いっそうインフレを加速させます。

また、国債が暴落すると国は新たに国債を発行できなくなり、年金や医療費を支払えなくなることも考えられます。

以上は最悪のシナリオですが、今までように国債を発行し続けると、こうなる可能性もゼロではありません。

それを防ぐために必要なのは、規制を緩和したりベンチャー企業を支援したりして新しい産業を育て、日本の経済を元気にすることです。

企業や従業員の収入が増えれば、得られる税金も増えて国の収入がアップします。

それと同時に、ムダな費用を大幅に削るなどして支出を減らすことも必要です。

新政権がそれをどこまでやってくれるのか、注目が集まっています。