投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、1月14日〜1月18日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、21〜22日の日本銀行金融政策決定会合で物価上昇率目標(インフレターゲット)+2.0%が導入される可能性が高まっていることで、堅調に推移すると予想される。

 安倍政権のリフレ政策への期待感、日本の貿易赤字の長期化懸念などを受けて、本邦輸入企業による輸入予約の前倒し、本邦輸出企業による輸出予約の買戻し、本邦機関投資家による仕組み債絡みの円高ヘッジポジションの手仕舞い、海外投資家の日本株投資(円買い)の円売りヘッジなどに警戒する展開となる。

【アベノミクス(積極的な財政・金融政策)】
 日本銀行金融政策決定会合では、安倍政権が標榜しているリフレ政策により、「物価上昇率目標+2.0%」が導入される可能性が高まっている。

 安倍政権によるデフレ脱却・円高是正を標榜する円安誘導は、オバマ米政権に対する環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加へのバーターとして容認されている可能性があることから要警戒となる。

【麻生シーリングと石破レンジに要注意】
 麻生財務相は、昨年末に「為替介入、投機的な円高・円安進行時に実施しないとは言わない」と述べた。石破幹事長は「1ドル=85円から90円の水準に抑えることが望ましい」と述べた。日本の財界筋も、過度な円安に対する警戒感を表明している。

 ドル・円相場が、投機筋主導で90円台に乗せた場合、本邦通貨当局による「過度な変動」を抑制するための円安抑制発言、円買い介入が実施される可能性があることで要警戒となる。

【米国債務上限引き上げ協議】
 米国の連邦債務上限は16兆3940億ドルであり、2012年12月末時点で到達している。米政府運営費の調達方法が2月下旬かから3月下旬にかけて尽きるとの観測が浮上しており、債務上限が引き上げられなければ、米国債のデフォルト(債務不履行)懸念、格下げ懸念が高まることで、ドル売り要因となる。

【テクニカル分析】
 ドル・円は、75円32銭を頭とする「逆ヘッド&ショルダーズ」が完成しており、目標値92円50銭処が点灯している。

 2013年1月14日〜18日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)12月小売売上高 −− 1月15日(火)日本時間午後10時30分発表
・予想は、+0.2%
 参考指標となる米国際ショッピングセンター評議会(ICSC)などの12月中の週間小売売上高指数は、前年同月比+2.5%-3.5%で推移。12月中の国内自動車販売は、前月比で微減。チェーンストアの売上増を考慮すると、市場コンセンサスは妥当か。

○(米)12月消費者物価指数 −− 1月16日(水)日本時間午後10時30分発表
・予想は、全体の数字が前年比+1.8%、コアは、同比+2.0%
 12月ガソリン価格は前月比-3.98%程度(季調済み)で、CPI全体には11からの押し下げ要因となる。コアの部分では、先行指標となる生産者物価指数の数字を確認する必要があるが、同指数は前月比・前年比はやや上昇する見通し。コアの数字は前年比+2%程度か。

○(米)12月住宅着工件数・住宅建設許可件数 −− 1月17日(木)日本時間午後10時30分
発表
・予想は住宅着工件数が、89.0万戸、住宅建設許可件数は、90.4万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は、12月47と11月46から上昇し、許可件数にはプラス要因。住宅着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数は、11月89.9万戸←10月86.85万戸と改善したため、プラス要因となる。コンセンサスは妥当か。

○(米)1月ミシガン大学消費者信頼感指数 −− 1月18日(金)日本時間午後11時55分発表
・予想は、75.0
 12月確報値は72.9←速報値74.35で下方修正されている。ダウ平均は「財政の崖」がひとまず回避されたことから、1月初旬にかけて反発している。12月のガソリン価格は前月比-4%程度(季調済み)でプラス要因。12月との比較ではやや上昇する可能性がある。

 主な予定は、15日(火):(米)12月生産者物価指数、16日(水):(日)12月国内企業物価指数、(日)11月機械受注、(米)11月ネット長期TICフロー、(米)12月鉱工業生産、17日(木):(米)1月フィラデルフィア連銀景況調査(景気動向指数)

【予想レンジ】
・ドル・円86円00銭〜91円00銭