朝イチ「ToDoリスト」でスタートダッシュ −月曜日・火曜日

1週間のスタートとなる月曜日。今回、登場する企業のエース社員たちは、「月曜こそが1週間の要」と口を揃える。休みの間にしっかりリフレッシュし、月曜からは心機一転、快調なスタートを切ることが、1週間を実りあるものにすると経験的に知っているからだ。

パナソニックで、ナノイー関連商品宣伝・広報を担当する横山悟さんは、月曜の朝は少々早めの出社を心がけている。

「休日はジムやプールに通って気分転換しているので、それを仕事モードに切り替えるのが月曜の朝。早めに出社して1週間の予定に目を通すところから始めます。やるべき仕事はいつも付箋に列記して手帳に貼り付けておくのですが、月曜の朝はそれを再確認しながら1週間の配分をイメージします」

さらに横山さんは、決定事項の多い仕事を、なるべく月・火の週前半で着手するようにしている。

「仕事の区切りがつかないまま週をまたいでしまうと、週末も重たい気分のまま過ごすことになってしまう。だからスケジュールに余裕があっても、早め早めに先回りして手を打つようにしています。月.金のルーティンに限らず、長期のプロジェクトでも同じ」と横山さん。

プロジェクトに関わる関係者が多く、また社内外の多方面にわたっているので、決められることはどんどん決めて関係者のスケジュールを押さえていかなければ、実現が難しくなることもある。それを避けるための措置だ。

「CMに有名な女優さんを使いたいときなどがその典型的な例ですよね。ある意味、正解のない仕事ともいえるので、自分はこれでいいと思っても、他部門や協力会社から追加や変更の要望が入ることもある。それに応えるためにも余裕を持ったスケジュール配分が大事なんです」

また、カシオ計算機で、登山用時計・プロトレックの開発を手がける牛山和人さんも、複数の長期プロジェクトを同時進行でマネジメントしている。こちらは製品開発という仕事柄、より計画的できめ細かなスケジュール管理が求められる。

「3〜5年を要する長期の技術開発から、来年リリースされる商品のための開発など比較的短期のものまで、プロジェクトに与えられる期間はさまざま。いずれにしても日々の積み重ねが大事なので、するべき作業を細分化して、週ごとの進捗管理を心がけています」

と語る牛山さんは、チームメンバーに対しては週の頭に技術課題を投げかけ、週の終わりの金曜日にその結果を刈り取っていく。金曜日までに結果が出なければ翌週の月曜を締めにする。

「だから月曜日は課題の投げかけと、前の週の課題の結果を確実に回収する日。そのルーティンを守りながら長いゴールまでを走り抜く、というやり方です」

一方、JTB法人東京で、トラベル用品などの事業開発部長を務める久保田達之助さんは、月曜日のみ、始業前の短い時間を利用して朝礼を行っている。

「日本人だからでしょうか、月曜の朝に『これから始めるぞ』というけじめがあると気分が乗りやすい。同時に、事業開発という仕事の本質を伝える場としても活用しています。朝礼では『飲みに行ったら、その店のこういう対応にホスピタリティを感じた』などと自分の経験を話すことが多いのですが、そういうエピソードを通じて、仕事を創出すること、仕事を通じて自己実現していくことの大切さを部下に気づいてほしい。それが月曜の朝礼なんです」と、久保田さんは部門長ならではの月曜朝の工夫を語る。

そうはいっても、月曜の午前中はなかなか士気が上がらず、いわゆるブルーマンデー気分の人も少なくない。カシオ計算機の牛山さんはそれを踏まえ、月曜に行う部内会議は午後に設定する。

「無理に午前中に行うより午後にしたほうが、議論が活発になって効率的ですし、いい意見も出ますから。ちなみに会議は長くても2時間で終わらせると、部内で決められています。いたずらに長引かせてもよい案は出てこないですし、午前なら1回、午後なら1時始まりと3時始まりで2回会議を入れることができるので、予定も組みやすくなります」

定例会議が多く設定されているのも月・火の特徴。会議に際しても、ちょっとした時間配分のコツをつかめば、同じ時間でもより中身の濃い会議になる。

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横山 悟 
パナソニック コミュニケーショングループ クリエイティブチーム 参事 
1968年、大阪府生まれ。90年、金沢美術工芸大学商業デザイン学部卒業後、パナソニック入社。入社以来一貫して宣伝制作業務を担当。メーンの担当は、ナノイーのトータル表現戦略。

 

牛山和人 
カシオ計算機 時計事業部 モジュール開発部 モジュール企画室 
1970年、東京生まれ。95年、玉川大学工学部電子工学科卒業後、カシオ計算機入社。時計事業部に配属、2001年から登山用時計・プロトレックのモジュール企画を担当。「土日は登山をするので、平日夜は家族と過ごす努力をします」。

 

久保田達之助 
JTB法人東京 事業開発部 事業開発部長 
1989年、明治大学政治経済学部卒業後、JTB入社。虎ノ門支店、コミュニケーション事業部を経て、2010年から現職。化粧品メーカーと共同開発した、旅行用の殺菌ジェル「いつでもどこでもハンドジェル」などがヒット。

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(ライター 石田純子=文 澁谷高晴、永井 浩=人物撮影)