ところで、歴史をまじえて丁寧にお話してくださった秋田さんだが、後から気づいたのだが、社長さんだったのかもしれない……。

●information加藤敬太郎商店山形県酒田市十里塚字村東山北73-3さて、続いて東へ数十キロ移動して、最上地域の「納豆汁」に少し話題をすすめたい。

この地域では、昔から正月などのお祝いの席で「納豆汁」が用意される。

また、1月7日に、七草粥(がゆ)の代わりに納豆汁を食べる地域もあるらしい。

納豆汁は、野菜、キノコ、油揚げ、こんにゃく、豆腐などを入れたみそ汁に、納豆をすりつぶして入れた郷土料理。

山形県以外でも親しまれているようであるが、“最上地域が本場”という説もあるくらい、この地域では昔からよく食べられていたそうである。

素朴でやさしい味で、口にすると身体がじんわり温かくなってくる。

山形県に行った際にはぜひ食べていただきたいが、物産店などで具材が全部セットになっているのも売っているので、自宅で作ってみるのもよいだろう。

山形県の塩納豆や納豆汁は、東京なら銀座の「山形県アンテナショップ おいしい山形プラザ」でも手に入る。

その地域の食文化を味わうと、その場所をより身近に感じて行ってみたくなる。

おなかが満たされると眠くもなるが、時には温かい故郷の料理の夢をみるのもいいだろう。