山形県に根ざした伝統食、塩納豆と納豆汁ってどんなもの?

写真拡大

山形県を流れる日本三大急流のひとつ、最上川(もがみがわ)。

今回は、その最上川が流れる庄内地域と最上地域の一部から、納豆の話題をお伝えしたい。

この地域では昔から納豆の生産が盛んであり、郷土料理としても有名な庄内地域の「塩納豆」、最上地域の「納豆汁」をご紹介させていただこう。

はじめに庄内地域についての説明から。

ご存じの通り、庄内は米どころとして知られる地域。

スーパーなどで「庄内米」を目にしたことがあるという人も多いだろう。

この地では古くから米作りが盛んだ。

最上川を源流とする河川から運ばれた肥沃(ひよく)な土壌によって、すくすくと稲が成長するのだ。

「米と納豆に何の関係が?」とお思いだろうが、まあ先を急がずしばし話を聞いてほしい。

まずは“塩納豆”の特産地である酒田市について説明しよう。

同市には山形県唯一の重要港湾があり、映画「おくりびと」のロケ地にもなった地。

市内にあまたある塩納豆のメーカーの中から、今回は200年以上続く老舗「加藤敬太郎商店」の秋田さんに話を伺ってみた。

「塩納豆はね、昔はこの地域の保存食だったのですよ」と秋田さん。

なんでも、昔から米作りが盛んであったこの地域では、米の生産とともに大豆の生産も促され、納豆が作られるようになったのだとか。

なぜ大豆の生産が促されるようになったかというと、昔、田んぼの畦(あぜ)を強くするために大豆をまいていたそうなのだ。

畦とは、水田と水田との間に土を盛り上げて、水が外に流れないようにするための堤。

まさか水をためる畔が、大豆の生産に関連していたとは! まかれた大豆は梅雨になると成長をはじめ、秋になると収穫されていた。

この大豆は、晩秋から冬の寒い時期には大事な保存食にもなる。

各家庭で、みそをはじめ、しょうゆや納豆を作っていたそうだ。

納豆はみそやしょうゆに比べると日持ちがしないため、塩を混ぜてかめなどに入れ保存が利くようにしていた。

この塩漬けにした納豆が、庄内地域に伝わる「塩納豆」。

徐々に、昆布や米麹などを入れて食べやすくするなどの工夫が施され、現在の形となった。

発酵食品である納豆には整腸作用をはじめ、肌の潤いを保つなどいろいろな効能があるという。

そんな栄養満点の納豆をさらに麹を組み合わせた塩納豆が、身体にいいのは間違いない。

健康を保つのにも役立つことから、塩麹がブームとなっている昨今であるが、塩納豆はその先駆けだったとも言えそうだ。

甘酒のようにトロッとした米麹が入っていて、口に入れると粒のやわらかさで心がほうっと和む。

優しい塩味のなかにほのかな甘みが漂う「加藤敬太郎商店」の塩納豆なら、スルスルっとご飯がすすむし、すりおろした長芋に混ぜてもおいしくいただける。

ところで、「加藤敬太郎商店」の三角テトラタイプ塩納豆は少し値段が高いのはなぜだろう?と不思議に思っていたのだが、この疑問を秋田さんが解決してくれた。

このタイプは、こだわりの原料を使っているとのこと。

納豆は「天明納豆」を、そして塩は伊豆大島の「海の精」を使っているため高いという。

なるほど〜、そう思ってじっくり味わうとさらにおいしく感じられる。

せっかくなので評判の「枝豆納豆」もご紹介。

こちらの納豆は、一粒一粒が大きく、やや青みがかっている。

香りの枝豆といわれる秘伝豆を使っているため、風味があり歯ごたえもあると評判の納豆だ。

ちなみに、商品は一つからでも送ってくれるとのこと。

冷凍保存も可能らしい。

送料が別途かかるので、まとめて届けてもらうのも良いかもしれない。

冷凍の場合、数カ月は持つそうである。

今回ご紹介した塩納豆・枝豆納豆は「加藤敬太郎商店」であるが、メーカーはいくつかあるようなので、山形県の庄内地方へ寄った際にはぜひいろいろな塩納豆を味わってみるのもよいだろう。