図1・2・3(図表提供=フランクリン・コヴィー・ジャパン)

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フランクリン・コヴィー社の「7つの習慣」セミナーは、これまでに20万人以上が受講。そんな同社が提供する最新のリーダーシップ研修とは。

スティーブン・R・コヴィー博士は、講演でよく以下の質問を投げかける。

「あなたの会社では、持っている能力を十分に発揮させてもらえていないと感じている人はいますか?」

すると会場にいる大半の人が手をあげる。これは多くの国で共通している。人々は高い成果を求められながら、自分の才能や知性は十分に発揮させてもらえていないと感じているのである。

当社の調査にも同じような結果が出ている。日本の企業で「自分の才能と情熱を最大限に発揮できる役割に就いている」と答えた人は15.9%である。他の回答を見ても、上司と部下の関係、成長や能力開発の機会に満足している人は意外なほど少ない(図1)。

このような状況を私たちは「組織の痛み」と呼ぶ。それは低品質やコスト増大、スピード低下、マーケットでの失敗などのかたちでビジネスに跳ね返ってくる。

これらの痛みが生じるのは、私たちが人類史に残る大変動の真っ只中にいるからである。私たちの祖先は、狩猟採集の時代から農耕の時代への大変動で、生産性を約50倍に高め、約90%が農民になった。農耕の時代から産業の時代に移るときも同様だった。

そして21世紀に入り、私たちは産業の時代から情報・知識労働者の時代への転換期を迎えた。過去の大変動と同じく、生産性は約50倍になり、約90%が仕事を替える可能性がある。これが、失業率の増加を招き、世界中で組織の痛みを引き起こしている原因なのである。

産業時代は、決められた作業を効率的に進めることで高い成果を出すことができた。人は管理すれば能力を発揮するものと考え、マネジメントがリーダーの主な役割となっていた。

ところが情報・知識労働者の時代は、個々のメンバーが創造性や独創性を発揮することで、組織の成功がもたらされる。上司の指示や命令で動くのでなく、本当にモチベートされたメンバーが自分で考え、クリエーティブに活躍することが成果につながる。そこでは、マネジメントだけでは組織は機能しない。メンバーを動機づけ、能力を引き出すリーダーシップが必要になる。

マネジメントとリーダーシップを比較したのが図2である。一見すると両者は似通っているが、リーダーが実際に取る言動は大きく異なる。

私たちが提唱する「21世紀型リーダーシップ」で、最も重要なキーワードは「ボイス(内面の声)」である。ボイスとは、自分のありたい姿を示すもので、「ニーズ」「才能」「情熱」「良心」の側面から捉えていく。

図3に示した質問を自分自身に投げかけてみてほしい。できれば1人で静かに思索できる時間を取ることが望ましい。自問自答するうちに、本心から取り組みたいと思えることが見つかるだろう。また、自分がリーダーであること自体が、あなたのボイスに適っているかどうかも考えてみてほしい。役職を与えられたからという理由だけで、この変革期にリーダーは務まらない。あなた自身の中に奮い立つものがあり、自ら選択して発揮する真のリーダーシップにこそ、メンバーは共感し、才能と情熱を惜しみなく発揮する。

次に、メンバーにも自らのボイスを発見するように働きかける。「第8の習慣」がめざす「偉大なリーダー」への道はここからスタートする。

(フランクリン・コヴィー・ジャパン副社長 竹村富士徳 構成=伊田欣司)