「肉巻きおにぎり」を開発したTORIAEZUが破産申請へ--ブーム終焉で赤字多額

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東京商工リサーチは11日、「肉巻きおにぎり」を開発したTORIAEZUについて、1月7日に事業を停止、事後を洲崎達也弁護士(江藤法律事務所、宮崎市老松1-5-1 クレスコ301号)に一任して破産申請の準備に入ったと発表した。

東京商工リサーチによると、TORIAEZUは、平成9年11月宮崎市中央通にて創業。

平成20年1月、とりあえずを設立、平成22年4月現商号に変更した。

代表者が居酒屋を経営していた時期に賄い料理としておにぎりをしょうが焼きした豚肉で包む「肉巻きおにぎり」を開発、これを居酒屋でメニューに加え販売したところ好評だったことから本格的に事業化したもので、宮崎県内一の繁華街通称「ニシタチ」の中心部に直営店2店舗を出店。

平成18年8月からは本格的にFC展開を開始、全国放送のテレビ番組で度々紹介されたこともあって一気に人気に火がつき、平成22年10月期売上高は4億5,000万円を計上するなど急速に規模を拡大したという。

だが、平成21年4月製造工場を移転、平成22年6月には東京と福岡に加工センター(現在は閉鎖)を開設するなど積極的に設備投資を行ったものの、規模拡大に企業体力の強化が追いつかず、借入が膨らむ一方で、肉巻きおにぎりのブームが終焉し平成23年10月期売上高は2億5,000万円にまで急降下、多額の赤字を計上し債務超過に陥っていたという。

このため、取引金融機関に返済猶予を仰ぐとともに、「ラスク・ド・ソレイユ」としてラスク専門店をオープンさせたほか、大福の販売も開始するなど売上回復に努めたものの、「思うような成果があがらず、事業継続のメドがたたなくなったため法的に整理に着手したものとみられる」(東京商工リサーチ)。

負債総額は約1億6,000万円。