ヒロインは、リュック・ベッソンに見出された「アデル ファラオと復活の秘薬」のルイーズ・ブルゴワン
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毎年送られてくる友人、知人からの年賀状。彼女、最近会っていないからどうしてるかなと思いっていたら「出産しました!」とベイビーの写真つきでお知らせが!
なんて経験はここ数年毎年なのでもはや驚くこともなく、「出産のお祝いは何にしようかな」なんてウキウキと親戚のオバちゃん気分になってしまうワケですが、出産〜育児は当の本人(母親)からしてみれば、決してウキウキだけでは済ませされないのが現実のよう。

実は、ちょっとショッキングな話。フランスでは別れたカップルのうち25%が、第1子が生まれてすぐに別れているってご存知でした?(フランス国立統計経済研究所の発表)というのも、“子供が出来る=幸せ”を思い描いていたカップルが、赤ちゃんの夜泣きや次々に起きる問題に対応しきれず、セックスレスになり、ジ・エンド……になってしまうケースも多いのだそう。(お国柄的な要素もありそうですが)

そんな“出産のリアル”をストレートに(&但しオシャレに)描き、本国フランスで大ヒットしたのが現在公開中の映画『理想の出産』。どんな内容なのかご紹介しましょう。

ストーリー


主人公バルバラは、哲学の博士課程に進んだ大学院生。一見お堅い彼女だが、ビデオショップで出会ったイケメンのニコラと恋に落ち、妊娠。

映画監督志望でノホホンとバイトをしていたニコラは、子供の為にサラリーマンとして働くことに。バルバラも、つわりやホルモンバランスが崩れ情緒不安定などに耐えながらも、何とか論文を仕上げようと、お互いが出産のために努力する。が、出産後は予期しないトラブルも発生し、お互いの仲はだんだんとギクシャクしてしまう。愛するべき赤ちゃんがいながら、3人にとっての幸せが見いだせない彼らはこの先どうなってしまうのか。

出産後に起きる、様々なこと


一般的に“出産”といえば、ハッピー感120%、にっこり微笑む母親の笑顔、母子を優しく見守る父親の眼差し、赤ちゃんのきゃっきゃと笑うキュートな声に、甘くやわらかなミルクの匂い……と、この世の幸せが凝縮しているかのように見えるけれど、本作はそんな幸せな一面を描きながらも、その現実は特に母親にとっては、なかなか厳しいもの、ということを教えてくれる。

お母さんはゆっくりご飯を食べる時間もないし、髪もボサボサ、寝かしつけたと思ったら、また起きて泣き始める。。そんな日々の繰り返し。本作のバルバラは、仕事もしているのに保育所もいっぱいで預けられず、まったく集中する時間がない。

結果、だんだんと精神的に追い込まれてしまう。

本来なら、こういう時こそ夫のニコラと誰にもジャマされない甘い時間がもてたら、また頑張れそうなのだけど、ベッドには睡眠不足解消の為に、ベイビーを添い寝させているからに、まず無理。一番の好き理解者であって欲しい夫とも心が離れていく……。

本作を見ていると、日本でも多くのカップルが経験しているんじゃないかと思えるシーンがいっぱい。でも、こういう事ってあまり表沙汰では語られないのも事実。特に女性にとっては、こういう事って本当に親しい人にしか話せないナーバスな問題だからかも。

育児のその先にあるもの


と、書いてしまうと何だか出産に自信がなくなってしまいそうな方もいるかも?
でも、そうではなくて、出産に対する決して華やかなイメージだけではなく、起こりうる様々な問題を先に知っておけば、夫婦で乗り越えられることも沢山あるんだとも本作は感じさせてくれる。それに、彼らは子供を持つことで人間的に大きく成長していく。
その姿に学ばされるシーンも多い。原作は、ミステリー作家として人気の高かったエリエット・アベカシスが自身の経験を通して描いた私的小説で、新しい自分を発見する過程を赤裸々に描き、新しいファンを獲得している。

本作はすでに公開されていて、出産を考えている男女が一緒に見に行き、終わった後に色々な話をしたという方もいたのだそう。確かに女性のこの時期の精神状態や出産後のストレスは男性にとっては理解しにくいかも。実際に妻が苦しんでいるのを見てたじろがない為にも、将来子供が欲しいなと思っている方はぜひ彼氏と一緒に見て欲しい。

作品自体はフランス映画らしくスタイリッシュで色づかいや音楽のセンスも抜群なので、決して誘いにくい映画じゃないはず!? (2012年12月22日からの公開ですが、早い映画館だと本日で終了してしまう館も(涙)。気になる方はお早めに!)
(mic)