西の客と東の客、それぞれの言い分とキレどころとは?




エスカレーターでは、関西は右、関東は左に立つ人が多いですよね。これは、商人文化が根づく関西では集金袋を右に持つ習慣があったために右に人を置かず、武士文化の関東では左腰に刀を差していたので、左には人を置かなかったことが影響しているとか。それでは、東西の「客」のキレどころも違うのでしょうか? 東西のホテルとゴルフ場のスタッフに、客の言い分を聞いてみました。



■500円割引券10枚で5,000円割り引け→割り引けません



――最近、お客さまから言われたわがままな要求や、言われて困ったことを教えてください。



西のゴルフ場(兵庫)「50代男性客。クレーマー気質なのか、ささいなことに文句をつけます。プレーを終え、クラブハウスに戻ると、『みんな不愉快な思いをしているんだぞ!』とスタッフを怒鳴っていました。



同伴者たちは、彼の性格を承知しているようで、風呂もそこそこに『あんまり気にしなくていいよ』とスタッフに言い残して帰りました。



当のご本人は長風呂で、その日の最後の客。今度はフロントで『そんなことは言っていない。さっき言ったことはちゃんと責任者のあなたに伝わっているか?』とほえだしたのです。



フロント責任者は『申し訳ございません。すぐに対処いたします』と頑張って対応しましたが、結局、彼を黙らせた一言は『ご同伴者の方々に、気にしないでって言われたので』でした。



聞くところによれば、この方、司法関係のお仕事とか。厳格なのは職業特性かもしれませんが、関西人の客は『かまってほしいオーラ』を出していらっしゃる方が多いです。



関東では、付かず離れずのサービスが好まれることが多いですが、関西圏では、おせっかい、しつこいぐらいのサービスが喜ばれます」



東のゴルフ場(栃木)「『500円割引券(1プレ−1枚)』を10枚持ってきた客に、『5,000円引け』と言われました。絶対に応じられません(笑)。



『申し訳ありませんが、割引券の併用はできません』と説明すると、高齢者からは『老眼だから見えなかった』とか、『もっと大きく書け』というリアクション。若者からは、『え? なんで?』と返されたことも」



■ネット限定プランを電話予約する人たち



――関西、関東の特性と思うような客のクレームや言動はありますか?



関西のビジネスホテル(大阪)「電話をかけてくる人の多くが、『すいませ〜ん』で始まり、要件をすぐには言わないですね。



関東人は『恐れ入ります、○○の件でお伺いしたいのですが』という1フレーズが決まり文句なのですぐにわかります」



関東のゴルフ場(茨城)「ネット限定プランなのに、電話で『ネットで見たんですけど』と言う方もいらっしゃいます。



ネットで効率化しているからこそ、料金を安く設定しているのですから、こちらからすれば『じゃあ、ネットからどうぞ』という返事をするしかない。でも、『ネット予約のやり方がわからない』と言われてしまいます」



関東のホテル(東京)「ホテルにも、ネットプランを電話で予約してくる人はいます。ネット予約をした人が、ネットを信用していないのか、リコンファームと言って事前確認をしてくるケースも。ネット予約が完了した時点で確認メールを送っているのに……。効率化されなくてはいけない部分で、二重の手間がかかっているのが現実です」



■毎年行ってるんやけど



――先ほど、関東で割引券でのむちゃな値引き交渉の話がありましたが、値切りと言えば関西、というイメージがあるのですが……。



関西のゴルフ場(兵庫)「意外にも、直接的な値切りはほとんどありません。ただ、関西人の決まり文句なのか『毎年行ってるんだけど』とおっしゃる人が多いです。毎年と言うほど来ていないのに……」



関東のゴルフ場(栃木)「関東では破たんして経営母体が変わったコースも多く、『新しい料金体系』を明確に打ち出しているので、コースも顧客も慣れています。値切りの交渉はまずないですね。あっても、割引券の10枚行使ぐらい(笑)。



でも、関東のメンバーさんはうるさい。ビジターとの料金差が少ないことに腹を立てて、『文書で回答しろ!』と言われたり、クレームが理屈っぽい方が多い気がします」



関西のゴルフ場(兵庫)「『割引券、なくしたから何とかして』と駄々をこねるとか、『このキャディバッグ、さら(新品)やから傷つけんといてな』というようなことは日常茶飯事。関東人には言えないセリフです」



■大阪人の「ぼけぇ!」はあいさつかも



――これまでに、客から浴びせられた罵詈(ばり)雑言はありますか?



関西のゴルフ場(兵庫)「電話に『○○カントリークラブです』と出たところ、無言なんです。『もしもし?』と言ったら、怒り気味に『あんただれ?』と言われました。そちらからお電話いただいたんですが……。そう言っても、『誰だか言わんとわからんだろが! ぼけぇ!』と怒られました。



また、中国道が渋滞なので、中国道を使わない道を教えてほしいという電話に『どちらからお越しですか?』と尋ねたところ、『大阪じゃい! ぼけぇ!』と言われたり……。



こっちに赴任してから、『ぼけぇ!』には免疫ができました。基本的に関西の皆さんはせっかちですね」



関東と関西の人がこれにすべて当てはまるわけではないと思いますが、問い合わせからクレームまで、地域差があるようです。



(OFFICE-SANGA 布施裕子)