硬貨は硬貨でも1兆ドル。スケールがでかすぎる(イメージ)

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米国で、とんでもなく高額な「硬貨」を作ろう、という動きが出ている。額面はなんと1兆ドル(約88兆円)、1枚あれば一生遊んで暮らせるどころか、世界一の大富豪になれてしまう。

何かのジョークかと思いきや、ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズといった大手紙も大真面目にこの議論を掲載している。どういうことなのか。日本のネット上でも、「世界の盗賊達が盗もうと知恵を絞ってるだろうな」などと話題になっている。

法定債務上限に達した米国

米国は現在、日本同様の多額の債務を抱えており、2012年12月末には法で定められている上限額の16兆4000億ドル(約1450兆円)に達してしまった。米財務省はさまざまなやりくりで辛うじて急場をしのいでいるが、このままでは債務不履行(デフォルト)に陥るのは時間の問題だ。

オバマ大統領は債務上限額を引き上げることを目指しているが、そのためには野党・共和党との交渉が必要となる。しかし共和党がすんなりこれを飲んでくれるかは微妙だ。

デフォルト回避のため今行っている緊急措置が期限切れになるのは、2〜3月と見られている。それまでに債務上限を引き上げる、あるいはなんらかの形で資金を調達することに成功しなければ、米財政は立ち行かなくなってしまう。

そこで浮上したのが、冒頭の「1兆ドル硬貨」だ。

ノーベル賞学者も後押し

米国では紙幣の発行は中央銀行である連邦準備制度の管轄下にあるが、記念硬貨に使われる「プラチナ硬貨」なら、財務長官が自由に額面を設定することができる。その気になれば「1兆ドル」というとんでもない額の硬貨を作ることも不可能ではない。この1兆ドル硬貨を2枚ほど作れば、ひとまず年の歳出の半分近くをまかなえる――というそろばん勘定だ。

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏がニューヨーク・タイムズのウェブ版で2012年1月7日、この意見を支持したのを始め、ワシントン・ポストやNBCといった大手メディアもこの論を取り上げている。

日本のネットユーザーからも、「お釣りに困るだろ」「防犯大丈夫?」と、「1兆円ドル硬貨」のインパクトに驚く声が多く寄せられている。