宇都宮市を抜いて餃子の購入額日本一に! 静岡県浜松市の「浜松餃子」とは?

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日本の餃子どころといえば? 1世帯あたりの餃子に対する年間の支出金額(2011年総務省家計調査)が栃木県宇都宮市を抜いて全国1位になった浜松市で、ご当地グルメ「浜松餃子」を食べてきた。

2011年の総務省家計調査で、1世帯あたりの餃子に対する年間の支出金額は、1位浜松市(4,313円)、2位宇都宮市(3,737円)、3位京都市(3,026円)だった。

同調査で1位になったのはこれが初めてだったが、浜松市では古くから餃子がよく食べられており、浜松市が調査の対象となった2007年からずっと栃木県宇都宮市に次ぐ2位だった。

ちなみに、2010年は1位宇都宮市(6,133円)、2位浜松市(4,754円)、3位京都市(3,067円)、2009年は1位宇都宮市(4,187円)、2位浜松市(4,137円)、3位鹿児島市 (2,762円)、2008年は1位宇都宮市(4,706円)、2位浜松市(3,665円)、3位鹿児島市(2,604円)という結果だった。

「小さい頃から餃子で育ちました」と話すのは、浜松餃子を盛り上げる活動を行っている「浜松餃子学会」の齋藤公誉会長。

「日常食なのでかしこまったものではないのですが、誕生日や結婚披露宴に食べることもあるごちそうです」「全国的にもサラリーマンが昼間から餃子を食べるのが許される地域はそうないと思いますよ」と浜松人の餃子愛を語る。

日本一になったことについては、「浜松市で消費量がものすごく増えたというよりは、東日本大震災の影響で宇都宮市の消費量が落ちただけなんです」とのこと。

「宇都宮市のことは、それぞれ餃子で地域を盛り上げようとしている、好敵手だと思っています。

非常にいい関係でお互いにエールを送りあっています」という。

浜松餃子学会は浜松餃子の振興・普及をさせることにより浜松市の魅力を全国に発信する民間任意団体。

2005年に設立し、メンバーは約10人。

これにイベント時などに応援に駆けつける「サポーターズクラブ」のメンバーが12、3人加わるという。

浜松市内の餃子販売店の情報を取りまとめた「浜松餃子マップ」を毎年発行するなど、浜松餃子のPR活動を続けている。

「全国の仲間と餃子文化を盛り上げていきたい」と話す齋藤会長には、浜松餃子を世界展開するという野望もあるのだとか。

ところで、何をもって浜松餃子と呼ぶのだろうか。

浜松餃子学会による定義は「浜松市内で製造されていること」。

最近ではこれに(製造者が)「3年以上浜松に在住して」という条件を付加したという。

浜松餃子は、地元でとれたキャベツなどの野菜を中心に、あっさりながらも豚肉のコクのある餃子。

見た目に特徴的なのは、円型に並べて焼かれること、もやしが添えられていること。

円型に並べて焼かれているのは、フライパンの上で一度にたくさん焼くことができるから。

同学会によれば、かつて餃子が屋台で売られるときに始まった習慣で、押し寄せる客に対応するために一度に多くの餃子を焼くためにこのスタイルができあがったのだという。

その結果、これを数人前に分けるのではなく、そのものが商品となったそうだ。

さらに、初めて食べた人が驚くユニークな特徴といえば、もやしが添えられていることではないだろうか。

もやしは、円型に並べられた餃子の真ん中にできるスペースに添えられている。

餃子はあっさり味ではあるものの、食べているうちに脂っぽくなるもの。

そこでもやしで箸休めをすることで、もやしがきれいにリセットしてくれて、さらにまた餃子が食べられるというわけだ。

「円型なのも、もやしも、餃子をたくさん食べたい気持ちから生まれたアイデア。

浜松では、男性は60個、女性でも20個くらい食べますよ」と齋藤会長は話していた。

2012年9月に浜松市で開催された「浜松餃子まつり2012」G1餃王座決定戦のグランプリに輝いた「生餃子工房 浜太郎」で、餃子をいただいてきた。

出てきた餃子はやはり、円型に美しく並べられていた。

これぞ浜松餃子。

真ん中にもやしがあることで、花を模しているようにも見える。

野菜が中心のあんは、みずみずしくあっさりとしていながら、豚肉のうまみがきいている。

つけられた羽根のぱりぱりした食感と焼き色、香ばしさがたまらない。

いくつか食べた後でもやしを食べると口の中がさっぱりして、またもう1個、と箸がすすむ。

齋藤会長に浜松の人が数十個食べると聞いたときは、正直、そんなばかな……!と思ったが、この調子ならいけそうだ。

浜松市には「やらまいか」という方言がある。

「やってみよう」「やろうじゃないか」という意味の、浜松人のチャレンジ精神あふれる市民性を表したものだ。

餃子をたくさん食べたい気持ちでアイデアを発揮してきたのも「やらまいか」精神の一つなのかもしれない。

日本一餃子を食べる街に、餃子を食べに出掛けてみてはいかがだろうか。