「ジーナシス」全店を統括。多くの人に支持されるブランドを目指す

WOMAN’S CAREER Vol.101

株式会社ポイント 坪谷佳子さん

【活躍する女性社員】人気のカジュアルウェアブランドを展開するポイントで活躍中の坪谷さん


■短時間勤務であっても、同じ役割の社員と変わらない成果を出していきたい

もともと目指していたのは体育教師。「ローリーズファーム」「グローバルワーク」「ジーナシス」「ハレ」などのカジュアルウェアブランドを展開するポイントへの入社を希望したのは、人を育てることについて、学校教育とは異なる魅力を店舗運営に感じたからだった。
「毎年同じカリキュラムで生徒を教え、たとえ生徒ができるようにならなくても次の学年に送り出す学校と異なり、店舗運営はスタッフの成長なしには成り立ちません。一人ひとりに合った教え方や伸ばすポイントを考えて売り上げという成果に導いていくことや、それを少人数に対してきめ細かにできることに魅力を感じたのです」

目標に据えたのは、複数店舗の予算・売り上げを管理するエリアマネジャーに28歳でなること。アルバイト時代に憧れていた社員が28歳でエリアマネジャーを務めていたことから設定したが、エリアマネジャーになるには、まずは店長にならなければならない。坪谷さんは結果を出すことと、店長になりたいという思いを他ブランドの店長やエリアマネジャーに伝えてアドバイスをもらうことに力を入れ、入社から1年半後、2年目の9月に念願の店長に。就任直後に感じたのは、立場の違いによって目指すステージにギャップがあること。自身は売り上げ増を目指す一方でアルバイトスタッフの中にはきれいな服を着て店舗に立つことで満足しているメンバーがいることなどに戸惑ったが、一人ひとりがモチベーションを高く持って取り組めるよう工夫を重ねた。
「お客さまが引き込まれるような店頭ディスプレーづくり、売り上げ、カード会員の獲得件数、店舗内部の装飾・配置など、一人ひとりの興味や得意なことに応じて『手を伸ばせば届きそう』と思えるような目標を立てるようにしました。そして、必ず成功できるようサポートするのです。『自分でここまでできたんだ』『ちょっと成長したな』と感じられることこそが仕事の楽しさだと思うので、たとえ本人の力だけでは目標に及ばなかったとしても、本人が自分の力で成功したと感じられるようにしていました」

背景には、「売り上げが上がらないということは、教育ができていないということ」という坪谷さんの考えがあった。
「スタッフが成長してお客さまを適切におもてなしすることができれば、お客さまからブランドを支持していただけるようになり、売り上げにつながります。私にとっては、売り上げはあくまで『あなたの頑張りがこんな数字になって表れたよ』とスタッフに提示し、モチベーションを高めてあげるためのツールなのです。その分、私自身がスタッフの頑張りに報いるために絶対に売り上げを上げようと必死でした。お客さまは何を欲しいと考えていらっしゃるのか? どうすれば手に取った商品をレジまで持ってきてくださるのか?などととことん考え、店頭の打ち出し方やスタッフの立ち位置を工夫していました」

その積み重ねが結果となって表れたのが、入社4年目、天王寺ミオ店(大阪府)の店長をしていたとき。当時のジーナシスの店舗で初めて冬のセール初日に1000万円を売り上げたのだ。前年実績を大きく上回る結果だった。
「アパレルの仕事は半期に一度のセールが通知表のようなもの。半年間、接客や売り場づくりを重ねて積み上げてきたお客さまがセール時に一気に戻ってきてくだされば十分な取り組みができたということですし、戻ってきてくださらなければ不十分だったということになります。目標を大きく超える結果にたくさんのお客さまが戻ってきてくださったことを実感し、大きな達成感を感じました」

これらの取り組みが認められ、4年目の3月にはエリアマネジャーに。目標よりも1年早い、27歳での抜擢だった。エリアマネジャーの役割は、担当店舗の予算達成に向けて店長と協力して接客や売り場づくりの改善に取り組むこと。坪谷さんが実践したのは、顧客目線で店舗を見ることだったという。
「この店舗に来るお客さまはどんな路線を使って、どんな気分でこの店に立ち寄るのだろう?そのとき、うちのお店はどのように見えるんだろう?などと考えながら駅から店舗に向かうのです。そうしてお客さまにとっての不具合、例えば、『いらっしゃいませ』とあいさつはできていてもウェルカムな雰囲気を感じられなければ、スタッフの立ち位置や表情、モチベーションなどどこを改善すべきか見極め、店長にアドバイスします。結果が出るまでに半年はかかりますが、改善を重ねて業績不振だった店舗が好調に転じたときに、『楽しいな』『自分がいる意味があるな』と感じます」

そして、9年目の3月にはブランドの全店舗の運営・販売に責任を持つシニアマネジャーに。約80あるジーナシス全店の売り上げを好調に導くべく、10人のエリアマネジャーとともに店舗運営に取り組んでいる。
「自分が『こうすれば売り上げが伸びる』と考え、発信したことがお客さまに届くまでに多くのスタッフを経由するため、成果や反応がすぐに返ってこないことに当初は戸惑いました。しかし、その分私が発信したことに共感してくれる部下の数など返ってくるものの規模や人数がこれまでとは格段に違うことに面白みを感じています。とはいえ、着任から半年ほどで産休・育休に入り、復帰してまだ数カ月なので、今の自分は仕事の内容にしても、積んできた経験にしても、ほかのシニアマネジャーにはまったく及ばない状況。まずは短時間勤務をしながらもほかのシニアマネジャーと同じようにブランドを好調に導くことができるようになりたいと思います」

産休・育休を取得したことで、女性社員の働き方についても考えるようになった。
「当社は育児短時間勤務制度を子どもが小学4年生になるまで利用できます。しかし、その期間も会社の利益になる仕事ができなければ、会社にとっては雇っている意味がありません。自分がシニアマネジャーとして結果を出すとともに、将来的には、産休・育休から復帰した女性が働きやすく、かつ復帰することが会社にとって利益になると皆が思える状況を作ることに携わりたいと思っています。今はまだ具体的なアイデアもないですし、実力も伴っていませんが、これから力をつけ、40代になるころには育児を経験した者として何かしらのことに取り組みたいですね」