今月注目! 経済の言葉「日本証券取引所」
突然の衆議院解散と自民党・安倍総裁の発言でみごとに?年末株高アノマリー〞を体現した日本株。為替の円安傾向を追い風に、2012年5月以来の「9200円の壁」を突破し、9600円も目前!久々の上げ潮ムードをキャッチする銘柄をどうぞ!!


2013年1月1日に、いよいよ「日本証券取引所グループ」が誕生します♪ 切望されながらも、東証&大証の意向が合わず、なかなか進まなかった案件でしたが、2012年8月に東証が大証の株式をTOB(株式公開買い付け)することにより、事実上の子会社化へに成功。大証はいったん東証の子会社化となるわけですが、親会社である東証を大証が“逆吸収合併”して移行することで、持ち株会社「日本証券取引所グループ」が誕生することになります。

逆吸収合併とは、事業規模が明らかに小さい会社を存続会社とする合併のことで、会計上のメリット(繰越欠損金の控除など)があります。過去には三井住友銀行とわかしお銀行などの例があり、規模の大きい三井住友銀行をわかしお銀行が吸収合併する形でした。ただ、その際に称号(社名)を三井住友銀行に改名したため、“見え方”としては三井住友銀行が残っているんですけどね(笑)。

では、今回の東証と大証の場合は? 大証に繰越欠損金などは見当たらないため、どちらかというと「大証の上場維持」が目的でしょう。大証は取引所という立場で、株式会社として上場していますが、東証は上場していません。東証が大証を吸収合併して日本証券取引所グループ誕生となれば、新たに上場手続きをとらなければならなくなり、コスト負担が増えます。でも、大証が東証を吸収合併して改名すれば、「日本証券取引所グループ」は新規上場せずに上場を維持することができるわけです。実際、東証と大証に重複上場し、2013年1月4日からすぐに売買可能になります。

さらに、ほかにもメリットがあります。東証と大証に重複上場し、それぞれに上場維持費用を支払っていた企業にはコスト削減に! そんな企業も注目されるかもしれませんね♪

この合併により、日本証券取引所は世界第3位の規模になります。名実ともにアジアの代表として、どう展開していくのでしょうか? 大注目ですね!

若林史江(わかばやし・ふみえ)
株式アドバイザー、徳山大学経済学部特任講師

この連載では経済を背景に移り変わる金融用語を、できるだけわかりやすく紹介していきます♪



この記事は「WEBネットマネー2013年2月号」に掲載されたものです。