安倍政権の誕生によって起こりうる様々な変革。そのひとつに教育改革があげられるが、これによって漫画やアニメ、ゲームなどから性的な表現が消えてしまうかもしれないという。かつて文科省でゆとり教育を推進した京都造形芸術大学教授・寺脇研氏(60)はこう語る。
「安倍さんは道徳教育を謳い、『日本を取り戻す』と言ってますが結局、戦後の偏差値教育、画一競争主義に戻ってしまう気がするんです」
若者を縛る教育改革の象徴として、過剰な性表現が問題視される漫画、アニメ、ゲームなどへの規制がおこなわれる可能性が高いと、寺脇氏は予想する。なぜなら、自民党は昨年12月の衆院選で「青少年健全育成基本法」の制定を目指すとはっきり主張しているからだ。この法律こそ「漫画、アニメのエロ規制法」なのである。
この法案成立に熱心なひとりに、ヤンキー先生として知られる義家弘介議員がいる。義家氏は第1次安倍内閣で教育再生会議委員に請われ、”エロ規制法”を審議するプロジェクトチームの座長を務めた。さらに昨年10月のシャドウ・キャビネットでは文科大臣に就任しており、安倍首相からの信頼が厚いのだ。
かつて義家氏の著書に解説を寄せたこともある寺脇氏はこう言う。
「いわゆる思春期に、性的なものに興味を持つのは自然なこと。道徳を大切にする育ちのいい安倍さんがSEX描写を汚らわしいと嫌悪するのはまだわかるんですが、義家さんは自らヤンキーだったと打ち明けて子供たちの心をつかんだ人です。そんな人が押しつけのような教育を進めるなんて残念です。安倍さんに引っ張られて国会議員になったことで、彼のよさが失われたようですね。私の知っているヤンキー先生らしくない」
そして、安倍首相がおこなう教育行政はもっと大きな問題をはらんでいる。
「結果的に画一教育で育つ子どもたちは、大人になっても、もちろんiPhoneのような新商品は作れないでしょう。問題は、エロ文化の抹殺だけでなく、日本の産業の未来にも影響を与えるんですよ」
(週刊FLASH 1月22日号)