駄菓子ってあんなに安いのに、なんでなくならないの?




10円、20円、30円がほとんどで、高くても100円になることはない駄菓子。いくらデフレとはいえ、安すぎます。何で商売として成立するのか不思議です。いったいどんな需要と供給になっているのでしょうか。この疑問を解決すべく、駄菓子屋の専門家に取材。駄菓子を仕入れに来るお店の業態や、値段、昔と比べてどうなのか、駄菓子の未来などを教えてもらいました。



■駄菓子の新しい利用方法



お話をうかがったのは、駄菓子・玩具卸問屋「村山商店」の店主、村山正幸さん。かつては「駄菓子商店街」があった日暮里ですが、2004年に駅前の再開発の関係で「駄菓子商店街」取り壊されてしまいました。それ以来、村上さんは、駅前高層ビルの1階を仮店舗として営業されています。



私がおじゃましたときは、ちょうど駄菓子が配送されてきたところ。店舗前には、駄菓子のダンボールが大量にありました。いっぱいの駄菓子を見ると、なんだか気持ちが明るくなってきます。



――どんな人たちが駄菓子を買いに来るのですか?



「当店は卸をしているので、仕入れに来る人が多いです。また、一般の方にも購入できるようにバラ売りもしているので、おかげさまで駄菓子ファンのお客さまにも足を運んでもらっています」



――仕入れに来るのは駄菓子屋さんなのですか? 駄菓子屋さんはどんどん減ってきているという印象があるのですが……。



「新しく駄菓子屋さんを始められる方もいますが、おっしゃるとおり、全体の傾向としては、駄菓子屋さんは減ってきています。駄菓子屋さん以外のお客さまが増えているのです。



例えば、飲食店の方がお子さまランチにつけるお菓子として仕入れてくれたり、学習塾の方がまとめ買いしてくれたりします。店舗や企業のお客さまサービスや、イメージ作りとしてご利用いただいているのです」



駄菓子そのものはなくならないのは、駄菓子屋さんではなく、新しい業態で駄菓子が活躍するようになってきているのですね。



また、これは駄菓子でなく玩具(シールなど)なのですが、小児科の先生が(頑張って治療を受けた)子どもにご褒美としてあげるために仕入れたりもしてくれるそうです。



■なんと! 外国産の駄菓子も登場しつつあるらしい



――駄菓子は安いものが多いですよね。何十年も値段が変わらない印象があります。駄菓子は値上がりしないのですか?



「たしかに安いですが、まったく変わらないわけでないですよ。例えば、数年前に10円から20円になったものがいくつかありました。また、値段は変わらなくても、サイズが小さくなったりしているものもあります。また、近年は、外国産の駄菓子も出てきたりしています」



――外国産ですか!? たしかに、安く作れそうですね。でも、駄菓子工場は採算がとれているのでしょうか?



「工場の数は減ってきています。新しい器械を買いかえる資金がないので、器械が壊れたタイミングで廃業するケースも少なくありません。また、家庭内工業のところも多いですから、子どもが跡を継がないというケースもあります」



■駄菓子は、心を満足させてくれる



――駄菓子の魅力は何だと思いますか?



「心が満足することだと思います。実際、駄菓子の客層としては、子どもよりも大人ですね。やっぱり、懐かしいですからね」



――こう話す村山さんの声も、とてもうれしそう。同じく私も、駄菓子の話をすると、どこか心が躍ります。



「家族連れで来るお客さまもいるのですが、子どもよりも大人の方が夢中になっています。そして、昔は、ひとつしか買えなかったのが、今なら、まとめて『大人買い』できると喜んでくれるんです。



中には、せっかく来たからと1万円ぐらい買っていった個人のお客さまもいるのですよ。ニコニコして帰っていきました」



子どもだけでなく、大人も笑顔にしてしまう駄菓子。その魅力は今も昔も変わらないようです。



取材協力:駄菓子・玩具卸問屋 村山商店

東京都荒川区西日暮里2-25-1-113 ステーションガーデンタワー1階



(OFFICE-SANGA 臼村さおり)