本来は前向きな意味だった「意識が高い人」という言葉。勉強熱心なだけでなく、人脈を広げ自分のキャリアを築き、日本の将来をも視野にいれて行動している、リーダーシップのある人たちのことを指しています。

 しかし、今、ネット上で語られる「意識が高い人」は少し違い、ネガティブな意味で、使われることもしばしば。人材コンサルタント・大学講師・常見陽平氏の著書『「意識高い系」という病』によると、「あまりにも前のめりに取り組んでいるがゆえに、時に滑稽に見え、痛いなと思ったり、ウザイなと感じたりする。気持ち悪いと思うことすらある。中には、表面的に取り繕っていることがバレバレな人もいる」と、「意識が高い人」を紹介しています。例えば、このような人。


■自分のプロフィールを誇張する
■芸能人でもないのに、かっこよすぎるプロフィール写真を撮る「自分大好き」
■名言(著名人の受け売り)を吐きまくる
■やたらと人脈を作り、自慢をする
■勉強会、異業種交流会をやたらと開く
■将来のビジョンについて、ムダに熱く語る
■ビジネス書を読み漁り、その真似をしまくる


 インターネットが進化した分、このようなタイプの人と遭遇する機会が増えたのではないでしょうか。このような意識が高い人たちは、実際は「意識が高い人(笑)」くらいの残念な存在になっていると常見氏はいいます。

 しかし、意識が高く、何かを変えたいという気持ちを持った人が、日本からいなくなれば、この国の力は衰退しきってしまうでしょう。「意識が高い人」と「意識が高い人(笑)」は違います。同書では、そんな「意識が高い人(笑)」を研究し、その背景にせまっています。一見、若者叩きの本に見えますが、容易にそう判断できません。

 常見氏は、「思わずいじりたくなる意識高い系の人たちというのも、絶対数はどうやらそれほど多くいるわけではなく、象徴的な行動だけが一人歩きしていることを伝えたかったのである。そして、彼らが不安と承認欲求から意識が高くならざるをえないことも」と、書籍化の理由を明かしています。

 また、人を見下したり、人の意見に耳を貸さない、人を騙し利用しようとする人は好きになれないと言いつつも、それ以外の「変わりたい衝動」には同情する常見氏。だからこそ、正しい方向で意識の高さを発揮して欲しいと願っているのです。

 例にあがったような言動に心当たりがある人は、自分の「変わりたい衝動」は正しい方向を向いているのか、今一度確認したいところです。



『「意識高い系」という病~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー (ベスト新書)』
 著者:常見 陽平
 出版社:ベストセラーズ
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