第1回では、"独身者は案外お金が貯めにくく、老後資金も高くつく場合が多い"という話を紹介した。だが、それでも教育費などの大きな出費がないという点で、独身者には資産形成を考える上でのメリットがある。しかしながら、実際にはその有利さを活かせず、定年までに十分貯蓄できない独身者も大勢いる。また「お金がなくて結婚できないんだから、マネープランを考える余裕なんてない!」という人もいるだろう。そこで第2回は、独身者向けのマネープランのイメージを、年収400万円のモデルケースで紹介していこう。

世帯年収を簡単に増やせないから独身者は辛い

 一般的に「一生のマネープラン」を考える際には、社会に出てから定年するまでに経験するであろう「結婚」「出産・育児」「子どもの進学」「マイホームの購入」「老後資金の準備」などの支出にどう備えるかが中心になる。

 だが独身者の場合は、結婚や子どもに関連する出費がないため、マネープランの中心になるのは「マイホームの購入」と「老後資金の準備」くらいだ。この2点は、収入が多い人ならば”独り身で余裕があるからと甘く見ないで、きちんと貯めておきましょう”ということで解決してしまう。問題は、近年の未婚理由として増えてきた「お金がなくて結婚できない」という場合だ。

 現在、サラリーマンの年収400万円が”当たり前”になっているものの、実際に家を買ったり、老後資金の数千万円を貯めるにはとても厳しい水準。年収400万円でファミリー世帯の場合、出費のかさむライフイベントをこなしつつ、老後に備えなければならないため、もちろんやりくりは大変だ。だがそれでも、夫の収入が少なければ妻も働いて「世帯収入を増やす」という手がある。

 ところが独身者は稼ぎ口を増やすことが出来ないため、収入を劇的にアップさせることが難しい。

 では、年収400万円の独身者が「老後も生活苦にならずに逃げ切れるマネープラン」とは、どんなものなのだろうか?

 ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんは「厳しいプランになりますが、やれないことはありません。ただ、(1)住居費を抑える(2)毎月必ず貯金する(3)贅沢はあまりできない、ということが前提になります」

 そしてその中で、少しでも"有利な条件"を手にしておくことが大事だという。

「同じ年収400万円でも、非正規社員より正社員のほうが退職金をアテにできたり、年金額が多く受け取れるという利点があります。また、独身者の場合、実家に住んでいる人もいるも多いと思います。住居費を抑えるために、実家をアテにできることは大きなメリットです。つまり、"雇用形態"と"家"でどれだけ有利な条件を手にできるかがポイントになってくるのです」

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