昭和の残像 鉄道懐古写真 (69) 新春特別企画「福を呼ぶ!? 『旧国七福神』」

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2013年の第1回目となる今回は新春特別企画。

各線で活躍していた戦前型旧型国電の中から、栄光のトップナンバー7両を紹介しましょう。

多くの鉄道ファンにとって、各形式のトップナンバーといえば、会えたらうれしい神様のような存在。

7両もそろったなら、これぞまさしく「七福神」! 福を呼ぶこと間違いなし! ……ということで、今回紹介する旧型国電のトップナンバー7両を、勝手ながら「旧国七福神」と命名してみました。

ご存知、旧型国電界のスター「流電」トップナンバーのクモハ52001です。

戦災で廃車となった車両(006)を除き、晩年は全5両が飯田線に配置されました。

中でも1936(昭和11)年に製造された1次車2両(001、002)は、狭窓がずらりと並ぶ美しいスタイルでした。

飯田線用に誕生した形式、クハユニ56のトップナンバーです。

もともと40系(3ドア、ロングシート)の客室・荷物室合造車クハニ67001として登場した車両で、後に常磐線でも活躍しました。

飯田線へ転属される際、郵便室を増設し、車内はセミクロスシートとなり、改番されてクハユニ56001となりました。

客室・郵便室・荷物室合造車クモハユニ44は、身延線の中で最も目立っていた車両です。

そのトップナンバーがクモハユニ44800。

1934年にモハユニ44のトップナンバー「001」として登場。

低屋根化改造後の番号整理により、「800」と改番されました。

ところで、なぜトップナンバーなのに「001」ではなく、ゼロで終わる番号になったのでしょうか? その理由は、1953(昭和28)年6月に実施された電車の称号規定改正にあるようです。

それまで「001」から付番されていたものが、この改正により、「000」からに変更されたのです。

これ以降に製造または改造された車両のトップナンバーは、基本的に末尾1の位が「0」となっています(例外あり)。

クモハ60を低屋根化改造した800番台のトップナンバー、クモハ60800です。

もともとはクモハ60018でしたが、改造された後にトップナンバーに躍り出た、「棚からぼたもち」のようなラッキー車両でした。

ちなみに、クモハユニ44とクモハ60はともに低屋根化改造車ですが、大きな違いがあります。

クモハユニ44は屋根全体を低屋根化したのに対し、クモハ60はパンタグラフ部分のみ低屋根化した車両でした。

戦前型通勤電車の代表的な形式、モハ60を改造して誕生したクモハ54100番台のトップナンバーです。

戦後の復興期に、京阪神緩行線用に3ドア・ロングシートのモハ60をセミクロスシート化改造し、編入しました。

この改造は前述の「電車の称号規定改正」前(1952〜1953年)に行われたため、ナンバーは「101」からとなっています。

この車両もクモハ60800と同様、「棚ぼたラッキー車」で、モハ60026からクモハ54101へと改番され、誕生しました。

なお、クモハ54のオリジナル(原型)は0番台です。

留置された位置の関係で、後姿と前面の一部しか撮影できませんでした。

3ドア・セミクロスシートの51系制御車で、戦前型旧型国電にありがちな他形式からの改造編入・複雑な改番などにより、いつの間にかトップナンバーがすり替わっています。

写真のクハ68001は改造後にトップナンバーとなった車両。

改造・改番は3回も行われました。

原型はクロハ59002で、3ドア・セミクロスシートに改造されてクハ68022に改番。

後にロングシート化改造を受けてクハ55136となり、再びセミクロスシートに改造され、クハ68001に改番されました。

本来のトップナンバーだった車両は、クハ68001からクハ55115へ、さらにクハ68024へと改番されています。

この車両も他形式から改造編入された車両で、中途半端なトップナンバー「850」となりました。

クモハ51を低屋根化改造した800番台は、種車により、「原型クモハ51を改造した800〜828(偶数のみ)」「2ドア・クロスシートのモハ42(両運転台)をクモハ51へ改番編入し、低屋根化改造した830」「2ドア・クロスシートのモハ43〜クモハ51へ改番編入し、低屋根化改造した850・852」の3グループに分類できます。

このナンバリングを見るに、「800」「830」「850」がそれぞれのトップナンバーではないかと筆者は考えます。

身延線で活躍したクモハ51850は、852とともに半室運転室だったため、4両編成の中間車として使用されていました。

戦前型旧型国電のトップナンバーを調べたところ、撮影していない車両も含め、飯田線、身延線、大糸線の3路線にかなりの数のトップナンバーが集まっていたと気づきました。

これもまた、他形式からの改造編入や複雑怪奇な改番により新形式や同形式内での枝番が発生するなど、一筋縄ではいかない旧型国電ならではといったところでしょうか。