「正月休みくらいは」と実家に帰って親孝行を考えた人は少なくないでしょう。一緒に食事をしたり、初詣や買い物に出かけたりと、何か特別なことをしなくても、そばにいることで親は喜ぶもの。普段、親元を離れている人にとっては、「親と話せる時間は残りわずか?」なんて考えると、少しでも一緒に過ごしたくなります。お正月にいい親孝行は出来ましたか?

 しかし、なかにはいつまでたっても親と仲良くできない人もいます。特に家庭に問題があったわけでもなく、中学生の頃に親と口を利かなくなって、そのまま大学で実家を離れ、正月もろくに帰らないまま数年が過ぎ、もはや何を話していいのかわからない。

 正月の親孝行への相談が、書籍『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』のなかで紹介されています。

 同書は、人気漫画家の西原理恵子さんが、自身の波瀾万丈な経験をふまえて、様々な悩みに答える「人生相談」エッセイ。親を食事に連れていけば「ひとつもうまくなかったな」と人の好意を無にするようなことを言われ、初めて就職したときも「そんな会社知らん」と言われ、徐々に親と壁を作ってしまったという相談者に対し、西原さんは、「まるで私と母の関係みたいですね。私も自分の母親があんまり好きじゃないです」と答えています。

 西原さんの母は、「そんなことしたらみっともない」「アンタたちのために我慢してあげているのに」と、否定から入る人。今は西原さんと一緒に住んでいて何不自由ない生活を送っていますが、それもまた問題で、何不自由ないところが不満だったりするのです。何か文句を言うところを見つけては、聞こえるように小言を言うのだとか。

 そんな親に対して西原さんは持論を展開。

 「親と子は別の人間だし、別の人生なんですよ。仲よくできないものはしょうがない。日本人って『親孝行しなきゃいけない』と思いがちだけど、合わない人とは合わないし、それこそ早く死んじゃったほうがいいような親だって山ほどいるでしょ」(西原さん)

 また、「そんなことは言っても親は年だし、介護のことも...」と思う人たちに対し、「お金で解決しなさい」と、思い切ったアドバイスをおくっています。24時間介護をしていたら仕事や家族の生活が疎かになります。そういう意味でも介護はプロに任すべきだと言います。そのためのお金なのです。

 「親孝行もいいけど、そのへんちょっとはき違えて、優先順位を間違ってる人が多いんですよ。家族のことを考えたら、姥捨て山に捨てなきゃいけないときがあるんです。だから、本気で介護のことを考えるなら、早めにそういう施設を見つけておくこと。あとは資金面でのバックアップ。家族がやるべきは後方支援です。週イチでもいいから、お花を持っていって『大好きだよ』って言ってあげる。そして、お金をだしてあげる」(西原さん)

 いくら世間から「それは親孝行ではない」と言われようとも、物事の優先順位は本人同士にしかわからないもの。時には優しさや愛を持って割り切ることも必要なのではないでしょうか。親孝行は多種多様ですが、自分なりのカタチを見つけることが大切だと言えます。



『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)』
 著者:西原 理恵子
 出版社:文藝春秋
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