【話題】一見すると帽子のように見える自転車用ヘルメット「カポル」

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自転車は車道を走らなければならないが、自転車専用レーンの普及はまだまだで、スピードを出す自動車との並走での事故も多い。

安全のためにはヘルメットをかぶることが望ましいが、かごつきのいわゆるママチャリでの普段着での使用に、無骨な白ヘルメットや流線型のスポーツサイクル用のものは気恥ずかしい……。

そんな女心をついて注目を集めているのが、カポルだ。

カポルは、一見すると帽子のように見えるヘルメットだ。

ヘルメットの上に帽子をかぶせ、一見するとヘルメットをかぶっているように見えないようになっている。

発売元である日本パレード(東京都北区)は、マーチングバンドなど、パレード用の衣装やグッズ、ステージ衣装を製造・販売を行う会社。

そんな会社がなぜ自転車用のヘルメットを?日本パレードでカポルの営業を担当する内藤正直さんに聞いた。

「直接のきっかけは東京都のシルバー人材センター」の上部団体である公益財団法人東京しごと財団よりのご要望でした」高齢者の自転車での死亡事故の増加、そしてその原因の7割近くを頭部損傷だという。

シルバー人材センターでも、仕事先への往復での自転車を利用する会員(シルバー人材)の死亡事故も発生したため、しごと財団では事故の防止策を検討していた。

万一の事故の際、頭部を守るのにもっとも有効なのはヘルメットだ。

最近は子供用やスポーツサイクルでの使用など、利用者層は広まっているが、自転車用ヘルメットといえば競技用のカラフルでスポーティーなものがほとんど。

シルバー世代にとっては、それを着用するには抵抗感を感じる人が多かったという。

公益財団法人東京しごと財団では「頭部の安全が守れて、しかもシルバー会員によろこんで着用してもらえるようなデザイン性に富んだヘルメットはないか」とリサーチを開始。

しかし既製品では条件に合うものに出会えなかった。

そこで、今度は新規に開発することも視野に入れ、ヘルメットと帽子とを同時に企画開発できるメーカーを探すことに。

日本パレードを紹介され、要望を実現するための話し合いがはじまった。

それが2009年のことだった。

「日本パレードは自転車業界からは遠い存在でした。

しかし、もともとマーチンバンド用コスチュームとしてのヘルメット成形と、帽子縫製のどちらにも長年培ったノウハウがあることから、財団とシルバー人材の要望を反映したヘルメットを共同で開発することとなり、3年の開発期間を経て製品化。

10月末より販売を開始しました」(内藤さん)11月2日から3日間幕張メッセで開催された「サイクルモードインターナショナル」でも、20代〜30代のタウンサイクル愛用者や自転車通勤者から好評で、「こんなヘルメットが欲しかった」「スーツに合うヘルメットを探していた」などの声があったという。

カポルは、ヘルメットと帽子のセットで、4種・8型。

帽子の素材も秋冬向けのニット素材のものから、つばがついた春夏向けのものまでそろう。

価格は7560円と7980円。

帽子のデザインは社内デザイナーと外部の帽子デザイナーが行った。

帽子のデザインだけでなく、ヘルメットのデザインにもこだわった。

輸入ヘルメットの前後方向に大きく、左右方向に小さいという内径を見直し、日本人の頭部の形に合わせた。

ヘルメットの後頭部下部分には、夜間走行の安全性を高める反射板がつけるなど、工夫もされている。

「カポルは単なる帽子と自転車用ヘルメットが合体したハイブリッド製品というとらえ方だけでなく、安全と安心をお届けするという側面も大いにあるかと思います。

カポルを通じて、自転車乗車中の安全と安心への意識が高まり、死亡事故が減少するための一助になればと願っています」(内藤さん)