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薬価を決める中央社会保険医療協議会(中医協)が後発薬(ジェネリック)の使用拡大をめぐって揺れている。医療費を抑制したい政府や後発薬業者と、新薬開発に注力してきた大手製薬メーカーとの利害がぶつかっているためだ。ただ、後発薬の目標60%はあくまで通過点との認識では一致しており、後発薬優位の流れは強まりそうだ。

後発薬は特許の切れた医薬品を安く製造したもの。有効成分は同じなので、政府は後発薬を処方するよう医療現場に求めている。右肩上がりで増大する社会保障費を抑えるためである。

しかし、医師は慣れ親しんで使った薬のほうが処方しやすいことに加え、大手メーカーの営業努力で、後発薬は厚労省が期待したほど浸透していない。医師や患者の一部には、後発薬への抵抗感も残っている。

そこで、厚労省は今年度から、後発薬への置き換えが進まない医薬品は薬価を特例で引き下げるという新ルールを議論の「たたき台」として中医協に提示し、了承された。先発医薬品と後発薬との薬価差を容認して大手メーカーの顔を立てた形だが、実質的には後発薬業者に有利な内容だ。

厚労省の医療費抑制にかける意気込みが確認できた半面、急激な後発薬へのシフトにはリスクもある。誰が新薬を開発するか、ということだ。

大手は巨額の費用を投じて新薬を開発し、高い値段で販売する。売り上げから利益が生まれるとともに、次の新薬開発に欠かせない資金も出てくる。

ところが、大手の利幅が細ると新薬開発に回す資金も少なくなる。後発薬も元は新薬なので、めぐりめぐって新薬開発のスピードが落ちれば、国民の不利益にもなりかねない。財政か健康かの古くて新しい議論だが、両立は難しい。


この記事は「WEBネットマネー2013年2月号」に掲載されたものです。