連載第17回は、少子化や不況の煽りで代表的なシュリンク業界の1つになりつつある、学習塾を取り上げよう。中でも特に生き残りが激しい中学受験の学習塾にスポットを当てる。10年前、関西から鳴り物入りで進出してきたある有名塾の経営者兼講師に取材を試みた。彼の目に映る「今、そこにある課題」とはどんなものか。今回も実名でお伝えする。

 あなたは、生き残ることができるか?

今回のシュリンク業界――学習塾

『学習塾白書 2010-2011』によると、学習塾の市場規模は1兆円強と言われる。東証1部などに上場する大手になると、売上高は数百億円レベルになるが、一方で個人経営の小さな塾も多数ひしめいている。小さな塾は、小学受験や中学受験などで独自色を出し、生徒数を確保しようとしている。
 
 経済産業省の『特定サービス産業動態統計調査』では、少子化や不況の中でも学習塾の売上高、受講生数は増加傾向にあるが、塾間では格差が広がっているようだ。ここ5年〜8の間に、大手大学受験予備校が中学受験を視野に入れた戦略を取り始め、中小を吸収・合併する「弱肉強食」のケースが増えている。

 大学生などのアルバイト講師が多いことも、この業界の特徴。その意味では、流通業や外食産業に似ており、労働条件の良し悪しも企業によってまちまちだ。

灘中に600人以上を合格させ東京進出
私立中学を知り尽くす塾長の本音

「この10年は、試行錯誤だった。関西で培ってきたものを東京の市場にいかに合わせるか、と考え抜いてきた。東京の保護者の心を掴むことは、なかなか難しいね……」

 中学受験の学習塾・株式会社東京フェリックス(FELIX)の取締役副社長(塾長)、嶋 美貴さん(50)が太い声で答える。自由が丘を拠点に、成城学園や二子玉川などに教室を構える。東京フェリックスは、今年(2013年)で創業から10年目を迎えた。

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