都市部にも出没! 危険なクモから身を守る方法




最近、関西圏や福岡などの都市部に、かまれると危害が及ぶセアカゴケグモが大量発生しています。各地で目撃談が報告されるほか、かまれてケガする被害者も増えており、決して他人事と考えてはいけない状況です。危険なクモから身を守るにはどうすればよいのでしょうか? ゴケグモ類に詳しい、自称「ゴケグモハンター」の清水裕行さんに、その対処法を聞いてみました。



■各地で発生したセアカゴケグモの人的被害



福岡県:2012年9月3日、福岡市内の介護施設で入所者の86歳女性がかまれ、呼吸障害などで入院。2008年以降、駆除数は8千匹以上にのぼる。



大阪府:2012年7月21日、泉佐野市内のプールで小学6年の男児が右胸をかまれて軽傷を負う。大阪府内では2011年に10件以上の人的被害が報告されているが、今年の9月から10月にかけて、立て続けに4件の人的被害が発生している。



■ヒートアイランド現象で都市部にも繁殖



――そもそもセアカゴケグモとは、どんなクモなのでしょうか?



「セアカゴケグモはヒメグモ科に属する有毒小型クモの一種で、本来は日本に生息していなかった外来生物です。1995年に大阪府で発見されてから、各地に分布して現在は23府県で生息しています」(清水さん)



――セアカゴケグモには、どんな毒が含まれていますか?



「強力な神経毒が含まれていて、かまれるとその部分に激しい痛みが生じるほか、発汗や発熱、進行性の筋肉麻痺の症状が表れたりします」



――オスとメスではどんな違いがありますか?



「毒を有しているのはメスだけで、オスは人体に影響を及ぼす毒は持っていません。そのためセアカゴケグモを見つけたら、まずそれがオスかメスかを見分ける必要があります。



メスは個体が真っ黒で、腹部中央に真っ赤な模様があるのが特徴で、オスや小さな個体は腹部に白いまだら模様があるのが特徴です」



――なぜ今、全国各地、しかも都市部で頻繁に目撃されているのでしょうか?



「セアカゴケグモは砂漠あるいは乾燥気候を好んでおり、コンクリートとアスファルトに囲まれた都市部は、生息するのにはもってこいの環境です。近年はヒートアイランド現象で都市部の気温は高温化しているので、元々亜熱帯で生息していたセアカゴケグモも、生息・繁殖できるようになったのです。



また、セアカゴケグモが越冬可能な『ホットスポット(自動販売機の裏や、スイッチボックスの中など)』がたくさんあるのも、都市部で繁殖する一因になっています」



■セアカゴケグモを発見&かまれたときの対処法とは?



――もしセアカゴケグモを見つけたら、どう対処すればよいですか?



「見つけたら、素手では触らず、殺虫剤をかけるか踏みつぶして駆除しましょう。ただし、卵は殺虫剤が利きにくいので、食器洗剤の薄め液につけるか、熱湯をかけるのが効果的です。



セアカゴケグモに詳しい追手門学院大学の西川喜朗(よしあき)名誉教授も、『絶滅させるのは難しくても、こまめに駆除すれば生息密度をかなり下げることは可能』と指摘しており、根気よく対処すればある程度の抑制は可能だと思います」



――万が一、セアカゴケグモにかまれたときは、どんな処置をすればよいですか?



「ゴケグモ類にかまれたことが明らかな場合は、早急に医師の手当てを受けてください。その際、可能であれば、かんだクモを捕らえて病院に持参すると、より適切な処置が可能になります。



また、病院に行く前に傷口を水洗いし、抗ヒスタミン剤を塗り込んでおいたほうがよいでしょう。日本ではまだ死亡例がないので『大丈夫だろう』と油断しがちですが、スズメバチなどのように日常的に生息するようになると、か傷例は次第に増えていきますので、注意が必要です」



発見された自治体では駆除活動を行っていますが、セアカゴケグモは天敵が少ないうえに、一度に数百匹の卵を生む。そのため完全に駆除するのは難しいとされており、各人がそれぞれ注意するのが実情なようです。皆さんも危険なクモを見つけた際は、軽々しく触ろうとせず、適切な対応をとるよう心がけましょう。



昆虫情報処理研究会 ゴケグモ情報センター

http://insbase.ac/xoops2/modules/bwiki/



(OFFICE-SANGA 春名晃平)