広告編

業界トレンドNEWS Vol.157

広告編

国内市場の低迷で、海外へ活路を見出す企業も。主要な企業の取り組みを紹介!


■外国企業の買収などにより海外進出が活発化。インターネット広告の成長にも注目が集まる

広告会社にとって最大の収益源は、テレビ・新聞などのメディアから広告枠を仕入れ、企業などに販売する際の手数料。また、広告制作・商品設計・企業イメージの構築などにまつわるコンサルティングサービスも、大きな収益の柱である。

日本の広告市場は、アメリカに次いで世界2位の規模。また、電通と博報堂DYホールディングスの2社だけで、国内市場の40パーセント程度を占めている状態だ。だが、日本の広告会社が国内市場に特化してきたため、大手2社といえども、世界市場での存在感は大きくない。国内最大手の電通でさえ、世界トップのWPPグループに比べると、売上総利益(売上高から売上原価を差し引いたもの。粗利のこと)で4分の1程度だ(下表参照)。

ここ数年、国内の広告市場は低迷が続いている。電通が公表している「2011年(平成23年)日本の広告費」によると、日本の総広告費は07年の7兆191億円をピークに、08年6兆6926億円、09年5兆9222億円、10年5兆8427億円、11年5兆7096億円と、4年連続で減少。総広告費の約半分を占める4大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の広告費も、やはり4年連続でマイナスとなった。今後も、4大マスメディアへの広告出稿は、頭打ちの傾向が続きそうだ。

そこで各社は、海外進出の取り組みを本格的に進めている。焦点になっているのは、海外進出を進めている日本企業の、海外における広告出稿を手助けする案件だ。ただし、国内の広告会社には、海外でのノウハウが不足気味。そこで大手を中心に、海外広告会社の買収や提携、現地子会社の設立によって海外ネットワークを強化する動きが広がっている。中でも積極的なのが電通。米国・中国においては、現地子会社の設立や、現地企業への出資を実施。イギリス・インドでも、企業買収を通じて徐々に存在感を高めている。12年8月には、世界第8位の広告会社イージスグループを約4000億円で買収すると発表して話題になった(ニュース記事参照)。

4大マスメディア以外への進出も、各社にとって大きな課題だ。とりわけ、インターネット広告への対応は重要。前出の「2011年(平成23年)日本の広告費」によれば、11年のインターネット広告費は東日本大震災の影響をはねのけ、対前年比で4.1パーセントのプラスとなった。今後は、マスメディア向け広告とスマートフォン・タブレット端末向けの広告を連動させるなど、インターネットを駆使した手法がさらに増えていくだろう。なお、インターネット広告市場は、中小規模の企業が割拠する競争の激しい市場。企業同士の合従連衡や、大手広告会社による買収などが起こる可能性が高いため、関連ニュースにはぜひ注目しておきたい。また、電車や駅構内、エレベーター内、街頭など家庭以外の場所で展開されている「OOH(Out Of Home)メディア」も、将来的には市場の拡大が期待できる分野だといえる。